データの製造業、日本のリサーチ会社はAI時代に生き残れるのか
こんにちは、野良猫教授です。
私は大学を卒業して株式会社博報堂に就職し、マーケティング局に配属されました。その後、11年ほど広告代理店でマーケティングの仕事をした後、独立し、ニュートラルなポジションでマーケティングやブランディングの支援を行いつつ、今日に至ります。
ニュートラルな、という言葉に意味があるのは、日本の広告代理店のプランニングセクションはニュートラルでないから、という前提があるからです。つまり日本の広告代理店はクライアントのためにプランニングするのではなく、原則的にメディアのためにプランニングする存在だからです。これは重要なイシューなのですが、今回のテーマはリサーチ会社なので、次回に譲りましょう。
リサーチ会社は国際的には極めて高い地位を持っており、リサーチャーの社会的な評価も高いものがあります。しかし日本の場合、リサーチ会社は広告代理店やメーカーの下請けという位置付けであり、人材の水準や待遇を含めて相対的に低い地位にとどまっています。その理由は自らを「知識創造業」と位置付けるのではなく、「データ製造業」と位置付けている自己規定の誤りにあります。あらゆる情報を広く収集し、一定水準で深く分析可能なリサーチAIが登場してきています。このAI時代に、データ製造業としてのリサーチ会社は生き残れるのでしょうか。
日本最大のリサーチ会社は、自らを「データの製造業」と定義している。他の産業材メーカーのように、リサーチとは「データを製造し、クライアントに納品する業務」という考え方だ。彼らは長年にわたり、この自己認識で仕事を継続してきたが、そのポジションは現在、AIによって大きく覆されようとしている。
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