
自動車開発の思い出 その16
黒髪を見てホッとする
米国でのテスト走行とデータ取りが終わりに近づきました。毎日の昼食はろくなものがなく飽き飽き、滞在しているモーテにあるにあるスーパーで、日清のカップヌードルを見つけ、「やった、これなら間違いない」と食べてみると、味はコンソメだけみたいな味。正直美味しくありません。
美味しかったのは車で20分位のダイナーのみ。仲の良い先輩に誘われ、たまに食べに行きました。
質の良いバンズ、ちゃんと味のするパティー、オニオンリングを毎回食べていて、店には歴代の出張者のコメントが残されていました。でも、チームの他の人はまずいランチで我慢しているので余り行けませんでした。
現地スタッフの米国人は「大きな体をして、こんな小さなサンドイッチでランチが足りるの?」という位しか食べません。他のメーカーの米国人スタッフも同様。私もそうですが、朝は少しで昼は結構食べます。そうしないとパワーが続かないですからね。
間借りしていたテストコースは、広大な平原の中にあるのですが、ある時車で走っていると、ほんの数メートル前に鹿が跳ねながら飛び出て来ました。ビックリしたものの、瞬時に判断して減速だけで回避しました。
しばしばゴツい鉄パイプ製のバンパーを付けて走っている車を見かけましたが、「あぁ、日本じゃ飾りだけれど、本当に必要なんだな」と実感しました。

帰国となり、最寄りの空港まで現地スタッフに送ってもらいました。
何しろ計測機器の種類が多い。カルネ申請をしているから、必ず持ち帰らなければなりません。
地方空港からシカゴ空港に移動。世界第三位の超巨大空港から日本の航空会社にトランジット。後は日本までの直行便です。
当時の旅客機のメインはジャンボジェットで、もちろんビジネスクラス。
会社の規定で機内はスーツ着用。この時は座席に空きが多く、ひじ掛けを4座席分ほど上げて横になれました。
当時はエコノミークラス(ではありませんが)症候群という言葉はまだありませんでしたが、海外出張の経験が豊富な先輩の指示で、目が覚めては機内を歩き回り、食事を取り、また寝る。それの繰り返し。

お酒の規定は特にありませんでしたが、気圧が低いのでほどほどに飲みます。貿易風に逆らって飛ぶので、日本まで12時間位のフライトです。
さながら、ラジオ番組のJET STREAMの世界です。これについてはまた後で書く事にします。
その頃は空席だらけは少ないかったのですが、会社の大先輩の頃は空席だらけが当たり前。搭乗がすごく少ない時は、スチュワーデス(今はアテンダント)といろいろなお酒を飲みながら、一緒に宴会しながら帰って来たそうです。元大阪府知事のH氏が喜びそうですね。
私はもしそんな機会があっても、宴会なんてする気はありません。仕事で行っているのですから。
12時間位のフライトなら全然近い方なので、確かに飽きるけれど問題ありません。
もう一度書きますが、当時の日本航空(JAL)のいい所は、日本に近づくとスチュワーデスが和服に着替えるのです。そこで見る久しぶりの黒髪と振袖、それを見て「ああ、もうすぐ日本に着くんだな」と実感が湧くのです。
米国の中部に長期滞在していましたが、当時はアジア人自体がほぼいません。アジア系米国人もかなり少なかったので、黒髪を見る機会がまずないのです。
それが、機内で日本語で会話出来て、日本食を久しぶりに食べて振袖が見られるのです。短期滞在や旅行ではそのような事を感じた事はありません。
その後ずいぶん経って、アテンダントの和服のサービスが無くなったと知りました。航空会社の人が読んでくれているならば、是非復活願いたい。
美味しい機内食もいいですが、乗客を喜ばせてくれる素晴らしいサービスだと思います。
日本に着いて、空港から電車に乗ると「黒髪が多いね~」という印象。
確かに茶髪の人もそれなりにいるけれど、改めて日本人の黒髪の美しを再確認しました。
研究所に戻り、また役員報告書作成の仕事となります。
旅客機が離着陸する時に、結構な着地時のショックと路面の凹凸による振動が伝わって来ます。航空機のタイヤのエアーバルブの規格が何かは分かりませんが、マジ軽ナットを取り付ければ、あの振動が緩和される。乗客も「この機長は腕がいいな」と思います。
離陸の際には転がり抵抗が減るから、エンジンパワーを少し減らしても同じ離陸が出来る、つまり省エネ。滑走路での振動が低減するから搭乗者の精神的負担も緩和。着陸時は無回転から急回転するタイヤの負担が減ります。
一機に十数本のタイヤが付いていますから、年間で相当な経費節減になります。
航空業界の方、まずは自動車等でタイヤの除電の効果を試されてみて下さい。
9月8日(日)厚木市相模川河川敷 あゆみ橋で午前5時より開催予定のエクスチェンジマートに出店の申し込みをしました。
天候による開催の告知は、開催予定日前日の13時にエクスチェンジマートのホームページで発表となります。