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モノ作りの考え方 #9(鍛造ピストンその2)

鍛造ピストンが届いたものの…

ピストンリングは、普通の2本リングではなくて、トップリングがL字の断面になっているLCリングにしました。L形なので摺動抵抗は増えるものの、圧縮が抜けにくいメリットもあるし、現物を見てみたいという気持ちもありました。POMを送ってしばらくすると、ブツが届きました。「やった~、来たぞ」と大喜び。いろいろ苦労して、やっと輸入出来たのです。「無事届いたよ!」と、協力してくれた仲間に連絡しました。箱を空けると、ピッカピッカのピストンが現れました。嬉しくて、トラックメーカーの研究所にいた兄に見せました。そうしたら、「ちっちゃいピストンだね」だって…。そういう事じゃないんだけど…。

カスタムバイクハンドブック(絶版)の鍛造ピストンの記事

宝石のようにきれいなピストン。もともとピストンは先細りのテーパー形状で楕円に作ってあります。鋳造は目で見ても分かりませんが、ワイセコは目で見てもそれが分かります。膨張率が高いから、そういう形になっていて、温まって来ると適正なクリアランスになる作りです。
「へぇ~、これがあの本(#8参照)で書いてあったリングなんだ」と眺めていました。もちろん、ピストンはリングの分は削ってあります。でも、届いたからといって、すぐに組み込んだ訳ではありません。
実は、クラブの仲間でワイセコの鍛造ピストンを組んだのは、私が初めてではありません。
輸入・販売していたショップで買ったワイセコピストンを組んだ人がいました。しかし、走り出してしばらくすると焼き付いたのです。それでもう一度、ボーリングして新しいピストンを組んで走ったら、また焼き付いた。
もちろん、ピストンに同封されている取説の指定通りにボーリング・ホーニングしたのに、です。そういう事例があって、「もしかして、取説が間違っているのでは?」と疑念を抱いていました。
適正なピストンクリアランスを探す.。ネットがない時代、大変な手間でした。確か純正のクリアランスは、空冷だから75/1000位だったと思います。それなのにワイセコの指定クリアランスはそれと同じ位か少し少ないか、だったかな。今現在はどうか知りません。
以前輸入したWOSSNERはどうなのだろう。まだ、箱を開けただけです。

ワイセコのピストン(使用済)裏側 元の色はグレー
ヴォスナーのピストン裏側 切削&ショット処理してあります

カスタムバイクの本には、「鍛造ピストンは、鋳造よりクリアランスは大きく取る必要がある。製造メーカーによって違うので注意」と書いてありました。「やはり、取説の数値が間違っているのでは?」それで、有志が動いて調査が始まったのです。
鍛造ピストンの記事はまだまだ続きます。ネットがなく、FAXでさえまだ普及していない時代に、「どうにか安く輸入しよう」と数人で奮闘しました。
この経験が生きて、他の部品も海外から輸入するようになりました。
後にピストンの摺動摩擦でも静電気が発生し、摩擦以外でも作動に影響を及ぼしているのを知りました。
一生懸命やっていると、そのうち道が開けるという経験を何度かしました。
販売しているマジ軽ナットもその一つ。人との出会いを大切にして、自分の経験も生かせば、世の中に広まる。その時期が意外と早くやって来そうです。
当初は「そんな事、あるはずが無い」、「たかが静電気だろう?」とよく言われました、12年も前の事です。でも自分のテストドライバーの経験からして、静電気の悪影響は案外大きいのは間違いが無い、そして除電は面白い。
小学生の時にやったように、静電気は下じきを少し擦っただけでも髪の毛を吸い寄せる程の力がある。
では、髪の毛より小さくて軽い空気や混合気なら、もっと影響を受けているはず。それを試したのは2013年からです。特許取得後に調べたら、ホンダもトヨタも除電で吸気効率を向上させる特許を取得していた。
しかも、電源を使用せずに除電するトヨタの特許は、この特許より後に出願しています。つまり、電源を使わずに除電で吸気効率を向上させる特許は日本で初、おそらく世界でも初でしょう。
ならば「そんな事、あるはずが無い」と言われても仕方がありませんね、今まで無かったのですから。
神奈川県の工業高校が部活でホンダのエコラン(Honda エコ マイレッジチャレンジ)に参戦し始めたのを知り、連絡を取って顧問の先生に除電の話をしました。その先生も「そんな事、あるはずが無い」と思っていてそうです。私が「理屈云々は抜きにして、自転車に乗ってもらえば分かりますから」と学校に自転車を持ち込み、先生と部員3名に試乗してもらいました。

このように、自分の足で軽く漕げるのを体感してもらいました

全員がマジ軽ナットで転がり抵抗の低減を体感し、その場で採用。以後は友人と除電技術に協力しています。
現在、その高校では授業にマジ軽ナットシリーズを使い、エンジンのベンチテスターで静電気の除電で出力が上がる、燃費が改善する等の授業をしています。この高校では先生方の間で除電が流行っており、お買い上げはもとより、先生ならではの様々なインプレションも下さり、その一部はパンフレットにも取り入れています。
エコランでは現在2校がこの除電技術を使いレースに参戦しています。
でも、たった2校です。なぜこんなに効果がありコストパフォーマンスも良いのにもっと採用しないのだろう?と、思っています。
燃費だけではなく、操縦・走行安定性の改善、タイヤの寿命も大きなメリットとなります。
静電気の除電は本物ならばプラシーボ効果ではないので、エクスチェンジマートのようなフリーマーケットでは、ベンチテスターのグラフや、ホンダ、トヨタ、住友ゴム(ダンロップ)等の特許文献もお見せしながら、説明しています。つまり、ちゃんとした科学的な根拠がある、という事です。
マジ軽ナットはネットショップBASEでかんたんに購入出来ます。


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