ドイツのミーティングに参加 その4
今度はアウトバーンでパンク
ドラッグレースを2度走り結果は最初はぶっちぎられ、2度目はまぁまぁ勝った。ウィリーしないように、前かがみで臨みました。
中には何度も(おそらく10回位)レースに参加する強者も…。
”その3”で書いた通り、ちょっとフライング気味にスタートしちゃった。それでも、日本男児として逃げることなく、走ったのでした。
80と書いてあるのは"滑走路には必ず真北が00°から角度を書かなくてはいけない国際ルールがあります。風向きがあるので、滑走路の両端に角度が書いてあります。
なので、この方向の滑走路の呼び名はRunway 80です。
ライダーは私ではありませんが、手前がZ1のようですが、向こう側は不明。こんな感じでドラッグレースが行われていました。雰囲気だけでも楽しんで下さい。
一般道でもこのようなレースでもタイヤはとても重要です。静電気でタイヤのゴムが固くなるのは知っていましたか?ゴムが分子レベルで動きが悪くなるのです。
ちなみに、オイルやグリスに静電気が帯電していると、帯電量に伴って粘度が高くなります。除電すれば電圧は低くなり、粘度が下がるから少ない力でも動き、スムーズな作動をします。除電をしないとどんどん電圧が上がり、1,000V以上にもなる(トヨタの特許文献より)のです。
タイヤを除電するとゴム分子の動きが良くなるので、ゴムが柔軟になります。「タイヤがしっとり」、「路面に張り付くように走る」、「ペトーとした感じ」等、表現は様々ですが、要は接地感(路面をとらえている感じ)が増すのです。是非、試してみて下さい。
このミーティングの遠来賞は、おそらくミュンヘンのあたりから来た結構いい歳の男性。おそらく50歳は超えていたのではないかとお見受けしました。ドイツ人らしい顔立ちで、これまたドイツ人にありがちなすごい髭を蓄えています。ドイツの会報でもよく見かけるので、重鎮なのでしょう。
知っての通り、同じドイツでもブレーメンは北海の近く、ミュンヘンは南ドイツ、オーストリアの隣の位置になります。アウトバーンを使っても片道1,200kmはありそうです。いくら料金が無料だからと言って、それは大変な移動距離ですね。
ビールを飲んでの夜の余興は爆笑でした。実は、会長とツーリングの準備のために買い物をしていた時に、会長が”近藤有無”を買ったのです。「えっ」とは思ったものの、、まぁそんなものだろうと。ヨーロッパの公衆トイレの入り口には大体自販機が設置してありますから、気にしませんでした。
レストランで皆が酔っぱらいだすと、会長とメンバーがいきなりその箱を開けて、まるで輪ゴムを広げるかのようにぐいぐい輪を広げます。
「何やってんねん?」と見ていると、号令でその”近藤有無”を頭から口の上まで被り、鼻息で膨らませ競争を始めました。いきなりでビックリすると共に、腹を抱えて大笑いしました。
どちらが早く割れるかという毎年恒例の競争でした。いやぁ、笑った笑った。頭が大きい日本人には不向きな競技?です。
ミーティングが解散となり、数台でアウトバーンを走っていた時の事。私が最後尾を走っていました。そうしたら、急にリアタイヤがパンクしたのです。「あっ、ヤバい、パンクだ」減速しながらホーンを何度も鳴らしました。でも、前を走るオートバイは気が付かず走って行ってしまいました。
その光景は今でも脳裏に焼き付いています。
「あぁ、どうしよう。でも走れない」スローダウンして、道端に寄せて困り果てていました。
当時は携帯電話もありません。途方に暮れるとはこういう事です。
「パスポートの次は、パンクかよ!」また知らない国で佇む私。
「早く私が後ろに付いて来ていない事に気づいてくれ!」と願うしかありません。
そのまま待つ事20分程、ミーティングに車に家族を乗せて参加していて、たまたま後を走っていたクラブのメンバーが、私に気づいて車を止めました。
「どうしたんだ?」、「リアタイヤがパンクした。前を走っている人にホーンを鳴らししたけれど、気づかずに行ってしまったので、彼らはパンクの事は知らない」そう話しました。
いつ私が付いてこないのに気が付くのかは分かりませんが、連絡方法がないので仕方ありません。
車で来たメンバーがジャケットのポケットを探しています。「あったぞ!!という感じで声を上げ、私に見せました。手にはパンク修理キットが!
「やった~、これでどうにかなるぞ」。「エアーポンプは?」、「もちろんある。エアーマットに使ったから」。何と心強い。
ところが、タイヤレバーがありません。今度はトランクを開けてゴソゴソと探して、大きなマイナスドリアバーを差し出しました。「これでどうにかなる」。
アウトバーンの休憩所でドイツ人と日本人の公開共同パンク修理が始まったのです。
次に続きます。