見出し画像

チェルノブイリ日記 17 ~ 安全基準という妄想

番号は一意か

 前回のあらすじ。
 放棄された建設途中の冷却塔で欲望を叫んだ。

画像1

 写真を何枚も撮ってはみるものの、しかしやっぱり広過ぎて何がなにやら……どう撮れば良いのか。どっちを向いても壁と丸い空ですので同じような写真ばかりになってしまいます。

画像2

 見上げるのをやめて前に目を向けますと柱に謎の数字が書かれていました。187。

画像3

 こちらはちょっとハゲていますが106かしら。え、ナンバリングされているの?

※ この記事はトリップウォーカーに掲載していた「チェルノブイリ日記」を書き直したものです。有料の設定にしていますが、全て無料で読めます。読み終わって面白かったと思われましたら投げ銭として購入の手続きを行って下されば幸いです。

画像4

 柱の土台には178の数字。私のような後世の訪問者の落書き……ではなくて工事を行っていた当時のものなんですかねぇ。
 まぁそりゃどの土台、どの柱と識別して話をする必要がきっと出て来るでしょうしナンバリングすること自体はおかしなことではありませんが、いやなんというか、してたんですね、ナンバリング。

画像5

 チェルノブイリマニアの猛者は1番から順番に存在を確かめたんですかねぇ。私はさすがにしませんでしたというか現地ではそんなこと思い付きもしませんでしたが……。

画像6

 きちんと調べたらダブっている番号がありそうと思ってしまうのはあんましですかねぇ。だって今までの行程で抱いた印象は「なんか緩そうな工事」ですもの……。

画像7

 日常生活では見ることのない巨大なネジ……で良いんですかね、工具については明るくないものでして。いやまぁ何なら明るいねんと問われましても特に何もないんですけど……。
 しかしでかいなぁ。殺傷能力は十分にありそうですよね。そもそも持ち上げられるのかな? そしてこんなのどうやって回して留めるの?

ハシゴを上った先には……?

画像8

 先程の鈍器をちょっと凶悪にした感じの物が落ちていました。これは持ちやすそうですね。
 いやまぁアホなことを言っとらんともうちょっと見て回りましょう。

画像9

 こちらの冷却塔には何やら骨組みがいくつかあるわけですが……

画像10

 もちろんハシゴも備え付けられているわけですよ。前回の最後の、冷却塔の外側のハシゴは背かごが設置されていなかったように記憶していますがこちらは背かごが設置されていますね。高さは外側の方が圧倒的なんですけどね。安全基準とは。

画像11

 ハシゴはありますけど、上った先の足場は骨組みの部分の細いところしかなくないかい?

画像13

 いやいやいやいやいや!
 やっとの思いでハシゴを上り切ったと思ったら次は鉄骨渡り。そして上って来たらいずれは下りなきゃいけないわけで。安全とは何なのか……。
 工事が行われていたときの作業員は本当にこのハシゴを上り下りしていたの? 誰も何も疑問に思わなかったの? 何とかしようと思わなかったの?
 あ、本当は足場があったけど四半世紀の年月で崩れたのかな……そうか?

画像12

 改めてハシゴを見上げます。
 うわー……。イケメンやガイドが上っていたら恐らく私も続いて上っていたんでしょうけど、2人を差し置いて上る度胸はありません。上ったところで見えるのは壁と空だけでしょうしね。

そろそろ次の目的地へ

画像14

 よく分からない檻のような物が倒れていました。傍らにはドラム缶。
 それなりに重そうな檻に見えますけど、原発事故の前はどういう状態で、そこから何がどうなって倒れたのでしょうね。悪質な訪問者が倒したのかなぁ? それか、ここを去らなければならなくなった人たちがヤケっぱちで倒して行ったのかな。
 まぁここだけではないですけど、何がどうしてここにこれが存在するのかという状況が多過ぎるのよ。

画像15

 そろそろ次の目的地へ向かいます。どこか知りませんけど……。

画像16

 最後に改めて。この骨組みも並ぶと神殿感がありますね。
 原発の5号炉のときも書きましたがこういうのを見ると神殿と思ってしまいますよね? よね?

画像17

 では、また……来ることはあるかな?

画像18

 冷却塔の外へ出ました。
 9年前のことですのでちょっとうろ覚えなんですが、外へ出るときはあの足場の悪い渡り廊下は通らなかったような気がします。
 しかし相変わらず謎のガラクタが散乱していますね。

画像19

 巨大なタイヤに……その右の倒れた箱みたいなのは何なのでしょうね。飲み物の自販機……なわけないか。いや、日本の自販機のイメージに囚われていてはいけないか。まぁ考えたって答えは分からないのですが。

画像20

 ここにも箱状の物が転がっています。タンスか、冷蔵庫か……。いや住宅地ならまだしも冷却塔の近くですものね。

画像21

 手前の錆色は本棚……嘘です。まるで分かりません。何故ここに転がっているのかもね。

儀式のようなもの

画像22

 ガラクタに目を奪われていますとどこからか電子音が聞こえて来ましたので振り向くとガイドがまたガイガーカウンターを使用していました。

画像23

 4.18からの61.38。

画像24

 73.62。
 えーと、つまり、どういうことなんですかね。

 なんか不安な電子音が鳴り続けてるけどけどけど!
 鳴ってるというだけでじゃあ一刻も早くここから立ち去りましょうとはならんのでしょ? 知ってるよ2回目だから。ええんか?

次回予告

画像25

 次回、スタンド・バイ・ミー。

ここから先は

0字

¥ 100

読み終わられて「面白かった」「役に立った」「他の記事も読みたい」などなど思われましたらサポートを是非よろしくお願いします。