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記憶の中の風景(37)

1998年に転職して10年が経過した。勤続10年のご褒美として五日間の休みと旅行費用5万円が会社から支給されたのでボクは迷わず両親を旅行に連れて行った。

両親は福岡空港から飛び、羽田空港から飛んだボクと那覇空港で合流した。ゆいレールに乗り、おもろまち駅へ移動しレンタカーを借りて北へ向かう。琉球村でソーキそばを食べ、万座毛から絶景を眺め、沖縄本島最北端の辺戸岬へドライブした。

翌日は沖縄美ら海水族館に行った。駐車場には観光客のレンタカーが沢山並んでいた。ここが沖縄国際海洋博覧会の会場だったことを知る人は少ないかも知れない。

両親と水族館に入るのは恐らく二度目だった。一度目は別府にある大分マリーンパレス水族館で、目の前には高崎山があり野生の猿を観ることができた。

沖縄美ら海水族館といえば大水槽の中で泳ぐジンベイザメが有名だ。ボクが中学生の頃、父親は交通事故が原因の眼底出血により視力が著しく低下した。どこまで見えているのか分からないが、父親は黙って母親の隣でジンベイザメをずっと眺めていた。


つづく

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