【今日の臨床】右肩の動きづらさが気になる20代女性。後編
※写真は施術中のイメージ写真で、本文とは関係ありません。
前編がまだの方はこちら↓
ここでもう一度、
右足を触診してみると、
第5中足骨の辺りや
環趾中節骨の硬さが抜けた。
代わりに、
右足内側楔状骨の
辺りに硬さが出てた。
一番硬かった場所が緩むと
このように次に硬い場所が
現れる。
いくつかの場所を
現しているが、
烏口腕筋だろうと思った。
そして、右烏口腕筋を
触診してみると、やはり
ぴんと張っている。
この時、右頸腓関節の
硬さの秘密が解けました。
この女性は、臨床検査技師
の仕事をしているのですが、
検体の検査で顕微鏡を
覗いていることが多いです。
その際、顕微鏡を覗きながら
右腕を固定してダイヤルを
回したりしているそうです。
この腕を固定している
ことで、烏口腕筋が硬く
なったのでしょう。
この烏口腕筋の張りと
右頸腓関節の可動が悪く
なるのがどう繋がるか?
烏口腕筋が張ると、同側の
薄筋が緊張します。
薄筋は大腿部にある筋肉で、
股関節の内転・内旋
膝関節の屈曲
等の作用があります。
今回は、右烏口腕筋が張って
いたので、右薄筋がその影響
で張っていました。
この右薄筋の緊張が出ていた
ため、脚のトレーニングで
力を入れる際に、右股関節が
内転・内旋してしまい、
右頸腓関節に硬さが出たのです。
右頸腓関節の可動を
良くすればOKと思って
いたが、根本的に改善
させるという意味では、
それだけでは足りなかった
ということです。
右烏口腕筋の緊張を緩め、
右薄筋の緊張が抜けた
ところでもう一度足を
確認すると、背屈の差が
無くなり、落ち着きました。
これで右肩の動きを確認
すると、右鎖骨の可動が
良くなって、滑らかに
動くようになりました。
改めて整理すると、
この女性の右肩の動きづらさは、
仕事で右腕を
固定していることが多い
↓
右烏口腕筋が張る
↓
右薄筋が張る
↓
脚のトレーニングをした際、
内転・内旋しやすい状態
↓
右頸腓関節に負荷が
掛かり、可動が悪くなる
↓
右鎖骨の可動が悪くなる
↓
右肩が動きづらい
この流れで右肩の動きづらさ
が出たはずです。
なぜ、右頸腓関節だけ
可動が悪くなるのか?
この疑問を抱かなければ、
この流れを見つけられ
なかっただろう。
どうしてその症状が出るのか、
原因はどこにあるのかを
よくよく見極めなければならない。