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宮崎の最南端。都井岬になぜ馬がいるのか
宮崎県の最南端。
そこには一風変わった灯台があります。
灯台の周りは草原に覆われていて、
灯台からは太平洋が一望できる。
そしてその灯台の周りでは馬達が生活しています。
その灯台の名前は「都井岬」
先日、そんな都井岬に行ってきましたが
道のど真ん中に馬がいたり、
親子の馬たちが道端の草を食べていたり
とても珍しい光景に出会えました。
ここは「馬の岬」
— 【Trip ResearCh】旅研究員の研究ノート (@Trip_Researcher) August 8, 2022
お昼頃は道端で集まっていたり草を食べたりしていましたが
夕方になるとみんな森の中に帰っていきました pic.twitter.com/nln6hMaZYN
しかし、ここである疑問が。
「なぜ灯台に馬がいるのだろう」
今日はそんな疑問をもとに、
都井岬になぜ馬がいるのか。そして
その馬達、場所の歴史について解説をしていきたいと思います。
都井岬の馬「御崎馬について」
ここで、先ほど紹介した馬達、
正式には「御崎馬」と言います。
そんな御崎馬ですが日本に生息する日本在来馬のひとつです。
「まぁでも馬なんて田舎に行けば見られるしな」
そう思う人もいるかもしれませんが、御崎馬は
都井岬にしか生息していません。
競馬などで見る馬達とは違い、体は少しずんぐりとしていて小柄。ポニーみたいな見た目をしています。
日本で唯一、半野生の馬
一般的に馬は馬小屋で生活しているイメージがあるかもしれません。
または檻の中で放牧されている様子など。
しかし、この御崎馬は
都井岬一帯に放牧されていて、日本で唯一半野生で育てられている馬です。
確かに、都井岬に行った際
馬小屋らしきものは見当たらず
夕方になると自分達の住処に戻るのでしょうか、
森の中に消えていく馬達を見ることができました。
ちなみにこのように馬小屋などがなく、
自然の中で飼育することを「周年放牧」というらしいです。
栄養バランスや病気の管理などが難しい反面、
飼育コストを抑えられたり、健康的に過ごせるなど特徴があるみたいです。
![](https://assets.st-note.com/img/1661341770078-lB0vJhkArp.jpg?width=1200)
家族で行動する馬達
放牧されている馬達を見てみると小さな群れをなして行動しているのが見れます。
その中には子馬や雌馬など、家族のような光景を見ることができます。
このような群れのことを「ハーレム」と言い、御崎馬馬は常にハーレム単位で行動します。
![](https://assets.st-note.com/img/1661341804679-PGFvw7SeLT.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1661341804736-euubT9KsNs.jpg?width=1200)
なぜ灯台で馬が育てられているのか
最後に今日の本題、なぜ灯台で馬が育てられているのかについて、解説したいと思います。
まず初めに、灯台付近は馬を放牧するのに適した土地です。
それはなぜかというと「海に近く潮風が吹くため、牧草に適度な塩分が含まれるから」
適度に塩分が含まれることで、栄養価の高い牧草を馬達は摂取することができます。
そして、歴史を遡ると海に近い灯台で今でも飼育されている理由がわかります。
都井岬で馬が育てられ始めたのは江戸時代初期。
元々軍用場として育てられていました。
しかし、明治時代「さらに屈強な大型の軍用馬を作る」ことを目的として日本古来の在来馬に欧米の逞しい馬を掛け合わす品種改良が行われました。
その品種改良は徹底されていて、在来馬の特徴が濃く出てしまった場合、去勢して後の世代に遺伝しないようにしたほどでした。
都井岬で育てられていた御崎馬も例外ではなく
品種改良が行われましたが
欧米の血統がそれほど濃く出なかったこと
僻地にあったため、それほど品種改良が徹底されなかったこと
などから、日本在来馬としての血を保ちつつ、
都井岬で放牧され続けました。
今の日本において、
灯台で放牧されているのも珍しいですが
日本古来の血統を保ちつ半野生で飼育されているのも非常に珍しいですね。
歴史を調べるとますます貴重に思えてきます。
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![](https://assets.st-note.com/img/1661341856394-IJptgjTqdd.jpg?width=1200)
最後に
今日は
「御崎馬がなぜ灯台で生活しているのか」
について解説しました。
灯台という絶景のロケーションで生活する日本古来の馬達。
ぜひみなさんもみに行ってみてください。
参考
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