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佐渡 30歳 秋

明日から佐渡に行く。
いつも旅を終えてから書いてばかりだったから、たまには、出発前にも書いてみる。

佐渡には職場の同僚と行く。
強いられて行くわけではなく、気の合う同僚と、楽しい旅だ。

同僚との付き合いが楽しめるようになってきたのは、20代後半になってからだ。
入社したての頃は、職場の人にはプライベートを明かしたくないと思っていた。
休日に職場の人と外出なんて、もってのほかだった。
年に一度の職場旅行が泊まりがけで行われるときには、何日連続で上司と顔を合わせるのか、数え上げてがっかりしたものだ。

入社から数年たち、人事異動で、同世代が多い部署になった。
そこでは、同世代の数人で飲みに行き、休日には遊びに行くという、信じられないような交流が行われていた。

最初に誘われた時には、飲み会参加が限度で、休日会うのは絶対無理、と思っていたのだが、何度か飲みに行ってみると、1日の3分の1を一緒に過ごしているだけあって、何かと話が分かり、居心地よく感じられてくる。

社会人になって数年経過したこともあり、学生時代の友人たちは、それぞれの場所で頑張っていた。変わったり、変わらなかったりするけれど、新しい世界を作っていた。
そんなタイミングで、私も、自分のいる場所が少しだけ過ごしやすくなったみたいだ。

それからまた数年経過し、明日には、同僚たちと一泊旅行に出かける。
入社当初の自分に言っても信じないだろうが、本当に行く。

佐渡に行きたいと思っていた人が寄り集まり、どこでもいいけれど旅行に行きたい人も加わって、いよいよ妄想が実現される。

最近ようやく気が付いたことだけれど、旅行というのは人数や行き先にかかわらず、予約してしまえば実現する。というか、実現するしかない。行かざるを得なくなる。
もちろん予約するタイミングでお金や時間の都合が出てきて、それが最大の難所でもあるのだが、難所を乗り越えて予約すれば、もう勝ちだ。誰との勝負かというと、重い腰をなかなか上げない自分自身との勝負。

こうして勝負に勝って、私は明日から佐渡に行く。
佐渡への旅を、昔の自分に自慢できる、そしてこの先も大切に思い出せる、楽しい旅にしたい。

※写真は、職場にあった花です

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