【モダン】マルドゥエネルギーデッキ解説、サイドボードプラン解説【エリア予選突破】

はじめに

先日行われたエリア予選を突破。
その前に行われた モダンチャレンジ でも優勝しており、日本人の中では結構話題になっている気がするので、インスタントスピード(ちょっぱや)で記事を書こうと思います。
マルドゥエネルギーは、筆者はナドゥ禁止後からプレイしはじめたデッキで、もうかれこれ2ヶ月程度プレイしたことになる。
コロコロとデッキを変える傾向にある自分としてはかなりのマッチ数をこなしたと言えるので、つらつらと所感を述べていきます。
エリア予選も真っ只中で鮮度を求めるユーザーもいると思うのでスピード重視で、後で書き足すかも。

デッキ解説は無料で、有料部分にサイドボード/ゲームプランの指針などを乗せてあります。

エネルギーデッキつらつら

マルドゥエネルギーとはボロスエネルギーに黒を足してメインは《思考囲い》、《オークの弓使い》、サイドボードには《虚無の呪文爆弾》などのカードを採用したデッキのことを指す。

差分

《思考囲い》は青単《ゴブリンの放火砲》、エルドラージランプなどのコンボ、ランプに対しての対応カード、《オークの弓使い》はミラーマッチの《オセロットの群れ》、《敏捷なこそ泥、ラガバン》などのタフネス1除去を兼ねつつ《一つの指輪》の起動を牽制する。

どちらもそれ以外のデッキにもそれなりに効くマイルドなカードで、且つ平場で《色めき立つ猛竜》をプレイしても効果を発揮するカード。

自分は《色めき立つ猛竜》の捲れに重点を置いて構築している。
エネルギーデッキの花形ともいえる、非常に強力なカードだが《ゴブリンの長槍使い》になる可能性も秘めている。

取らなくて良いリスクは取るべきではない、マルドゥはその点で他のエネルギーより安定していると言える。

ボロスはそのスロットに何を入れているのかというと概ね《敏捷なこそ泥、ラガバン》2-4枚。
軽量除去、《稲妻》や《静牢》の追加2-4枚。
《一つの指輪》3枚前後。
あと最近は減っているが《血染めの月》も2枚程度入っていることがある。

8枚に対して枚数が合わねーだろって感じもするが、土地を切り詰めていて土地22が多い。

脱出しなければ弱い《稲妻のらせん》

《一つの指輪》のプレイに加え、《火の怒りのタイタン、フレージ》の脱出を含めると、4マナまで真っ直ぐ伸びることに相当なバリューがあるデッキであることは間違いない。

そう考えると土地を減らして4マナのカードを入れる、というのは正気の沙汰ではない気もするが、これはデッキ構築思想の違いである。

ボロスは相手によってブレが激しい《敏捷なこそ泥、ラガバン》がメインボードから採用されているし、単体除去として《稲妻》や《静牢》も3枚以上採用されていることが多い。

これらはミラーマッチでカード損になるパターンが多く、《敏捷なこそ泥、ラガバン》は《オセロットの群れ》や《ナカティルの最下層民、アジャニ》のトークンにモジモジするし、単体除去も早いターンの《魂の導き手》には対応必須だが、それ以外の《ナカティルの報復者、アジャニ》、《色めき立つ猛竜》、《火の怒りのタイタン、フレージ》などの屈強なクリーチャーたちには損トレードを繰り返すことになる。

リソースは任せろ!

それらの不利トレードを正当化するのが《一つの指輪》である。
簡単に言うとボロスはガンガン動いてバリバリ引くのである。

非常に理にかなったデッキではあるが、土地22で4マナのカードをプレイするのはやはり大変だ、ガンガン動いて《一つの指輪》がないこともあるだろう。
ただ序盤の細かいアクションを失ってもボロスの優位性は損なわれるので、土地を切り詰めなければならず、自分の感覚的には上振れ下振れが激しい。

非常に強力なカードだが…

《色めき立つ猛竜》の運用も非常に不安定で、メインのスペル37-8枚に対して《火の怒りのタイタン、フレージ》が4枚、《一つの指輪》が3枚、《血染めの月》が2枚の9枚3マナ以上のカードがあるとすると、単純計算0エネルギーでプレイした《色めき立つ猛竜》は25%近くそのカードをプレイ出来ないことになる。

相手の場にクリーチャーがいないときは更に《電気放出》(エネルギーが溜まるから耐えとか言わないでください)、《静牢》などの単体除去もハズレになるので、逆に当たる確率の方が低いかも知れないレベルだ。

「この相手の場にクリーチャーがいない状態でプレイする《色めき立つ猛竜》は概ね外れる」というトピックは一つのプレイ指針にもなる。

後手番で《魂の導き手》をプレイすると対戦相手の2ターン目の《色めき立つ猛竜》のヒット率があがるのでプレイせず、《電気放出》などの単体除去を構える、《諜報土地》タップイン消化のターンにするなど。

逆にエネルギー3でプレイ出来る《色めき立つ猛竜》はゲームのキーとなる《火の怒りのタイタン、フレージ》をキャストするチャンスがあるので非常に強力だ。

1ターン目《魂の導き手》から《色めき立つ猛竜》といきたいところだが、ミラーマッチで回し打てるときは3ターン目までプレイを待った方が良いことも多い。

相手がタップアウトしたタイミングで両方をプレイして確実に1エネルギーを追加するなどのプレイも必要。

まぁつらつらとボロスエネルギーのことの話を聞いてて思ったと思うが私はボロスエネルギーが苦手だ。

捲らないでドローする力が必要


土地が少ないのに《一つの指輪》がたくさん入っているし、《敏捷なこそ泥、ラガバン》《稲妻》大量の《静牢》、サイドボードには《色めき立つ猛竜》で捲ってはいけない《オアリムの詠唱》など、ブレるカードが多い。

マルドゥはボロスと比べるともう少しドッシリしていて、土地も24枚(これはマルドゥでも最も多い構築ではあるが)入っている。
《思考囲い》や《オークの弓使い》などマイルドではあるが安定したカードが入っていて、プレイしていてストレスが少ない。

これもまたマイルドカード

サイドボードも含めて《色めき立つ猛竜》で捲れていいカードで殆ど構成している。

「どんだけ《色めき立つ猛竜》の話するんだよ!」

と思われるかも知れない。
が、これは本当に重要な話で、《色めき立つ猛竜》はエネルギーデッキの中でも《火の怒りのタイタン、フレージ》と並んで強力なカードと言える。

そのため、下ブレてハズレた場合負けに直結することが多すぎる。

なので、《色めき立つ猛竜》の運用こそがこのデッキの肝とも言えるだろう。

デッキ解説

当たり前のカードにはあまり触れず、特筆する要素だけ抽出して解説する。

今回のエリア予選で使用したデッキリスト

◆マナベース
・24
まず土地24。
良く多くないかと聞かれることが多いが、《火の怒りのタイタン、フレージ》が実質4マナ、《一つの指輪》もサイド後入るとなると4マナのカードが6-8枚程度入ることになり、このくらいが妥当だと考える。
ちょっとのフラッドなら頼れる《湧き出る源、ジェガンサ》くんもバックヤードで控えていますので安心して下さい。
みなさん、はっきり言いますけど土地少ないですよ。

・諜報土地



全3種。2種類採用のリストも見受けられるが3推し。
フェッチ、平地の2ランドだとフェッチ→赤黒の諜報土地になるし、フェッチ、山だと白黒にしたいだろう。
中盤の諜報は赤白にして《火の怒りのタイタン、フレージ》の脱出時に色マナに困らないようにしたい。
3種必要なパターンが容易に想像が付くので入れた方が良い。

単純に諜報も強力。諜報を絡めれば《火の怒りのタイタン、フレージ》がマッハで脱出出来るし、《火の怒りのタイタン、フレージ》自体が落ちるラッキーもある。

タップイン負けも勿論あるけど、他のリストより1-2枚土地自体が多いので御愛嬌ということでここはひとつ

リアルでは最近アンヒンジド使ってる

・平地2

ディミーア眼魔の《海の先駆け》や、ボロスエネルギーの《血染めの月》にハマって負けるとムカつくので2枚。

ワンチャン狙いダイブ野郎ども


マルドゥエネルギーはディミーア眼魔にはかなり有利、ボロスエネルギーにもマルドゥがちょっと有利だと考えているので、こういうアホ負けは避けたい。

・フリースロット1

フェッチ12枚、ギルラン各種、山、《栄光の闘技場》2枚までは固定スロットなので1枚フリースロットの土地がある。
候補を挙げていく。

サーチ先などで効用ははっきり出る

まず平地の3枚目。
《海の先駆け》、《血染めの月》が多い時も安心。
エネルギーミラーとかでも後半トップデックした《火の怒りのタイタン、フレージ》を7マナで即脱出するなどで結構縦置きの土地を求められることもあるのでダメージ損失を抑えられる。
1回目のエリア予選は平地の3枚目を採用した。

スタンダードエネルギーカード、唯一の生き残りだが…

《霊気拠点》。
マルドゥだと兎に角色がキツい。
2ランドに《霊気拠点》が絡むと高確率で事故る。

《霊気拠点》→《色めき立つ猛竜》で《火の怒りのタイタン、フレージ》キャストに耐えられるという言説もあるが、結局そこでエネルギー使い果たすと《霊気拠点》は《荒地》になってしまって《火の怒りのタイタン、フレージ》できなくね?本当にそれって良いのかという考えにもなって来た。

そのあと《魂の導き手》などでエネルギーを得ることもあるがミラーマッチの《魂の導き手》って中々場に残らないしなどなど、長くなるので割愛。

色々書いたが1枚はマルドゥでは許容ラインだと考えているので採用圏内ではある。

50円

《記念碑的列石》。
マルドゥは《一つの指輪》がボロスと比べると少ないし、《火の怒りのタイタン、フレージ》も絶対引きたい!という観点から採用。

ただ、モダンチャレンジで使用した感想は悪かった。
まず起動が重く、中々これを起動するような展開にならないこと。
そして、《魂の導き手》や《オセロットの群れ》を1ターン目にプレイする関係上、白マナはアンタップインが望ましいこと。

そのため、エリア予選では不採用にしました。

ただ、自分のチャレンジ優勝リストを使用した二人がエリア予選を突破していることも考えると、意外と良かったのかも知れない。
二人の使用感もメチャクチャ気になる。

1200円くらいします

古い方の《永岩城》。
確定アンタップインという点で《記念碑的列石》より優れているがこちらも兎に角起動することがない。
《火の怒りのタイタン、フレージ》のぶつかり合いになった際に効くかなとか思ったがついぞその瞬間は現れなかった。

《敏捷なこそ泥、ラガバン》がメインに入っていると良いかも知れないので、ボロスエネルギー向きの土地かも知れない。

新しい方。
一回育った《魂の導き手》や、ディミーアがプレイしてくる《ファイレクシアの十字軍》などの触ることが出来る。
が、基本的にこのデッキは引いた土地は全て置いてしまうのでこれもあまり使わない。

色はキツい

などの思考を経て2回目のエリア予選は《栄光の闘技場》の3枚目にした。
ミラーマッチは様々なフェイズがあるが、4-5ターン目の《火の怒りのタイタン、フレージ》+《栄光の闘技場》脱出は勝利貢献度がかなり高い。

相手が《栄光の闘技場》なしで脱出してきた時などは顕著で、返しに相手の《火の怒りのタイタン、フレージ》をこちらの《火の怒りのタイタン、フレージ》で対処することが出来、一気に攻勢に出れる。

ミラーマッチをやっていてあまりにも「自分だけ《栄光の闘技場》引いてて勝ち」「相手だけ《栄光の闘技場》で負け」が頻発するので増量した。

《霊気拠点》と一緒で、初手がフェッチ+《栄光の闘技場》の2ランドだと事故る。

《栄光の闘技場》をタップインすることは許容し辛いので、概ねフェッチを《聖なる鋳造所》に変えてドローで黒マナが追いついて来ることを期待することになる。

《現実を砕くもの》です(概念)

《火の怒りのタイタン、フレージ》はもちろんだが、《湧き出る源、ジェガンサ》に速攻を持たせたら大したもんだ。

詰めろが掛かっているなら《色めき立つ猛竜》、果ては微力ながらも《ナカティルの最下層民、アジャニ》、《オークの弓使い》を突っ込ませることもある。

◆メイン

万能ではあるが…

体感2枚プレイすると維持出来ない。
というか1枚でも良く剥がれてる瞬間を目撃する。
ミラーマッチでは《魂の導き手》が残らない、というか残っていたら大体勝っているので、《魂の導き手》がいる状態で強いカードは議論の余地にない。
万能なカードではあるが、2枚が限界。

ずっと4枚採用だったが、初日のエリア予選で見たエネルギーミラーの多さに面を喰らい1枚《一つの指輪》に枠を譲った。

相手の《一つの指輪》を牽制したり、タフネス1を刈り取るなど良い役割もあるが、《ゴブリンの砲撃》に無力だったり、2枚目以降が《魂の導き手》との絡みが悪く、軍団トークンが育つだけで弱かったりなど、意外と適正枚数は3枚な気もしてきた。

エネルギーミラーで強力ではあるが、マルドゥは《思考囲い》をメインには入れててライフが痛いし、メインはダラダラとリソースを交換しあうプランを取らないので、あまり入れたくない。
相手の《一つの指輪》はこちらの《オークの弓使い》で牽制出来ているのも少ない理由の一つ。

アリーナフォーマットからの逆輸入テク

ミラーマッチでは、引いた方が圧倒的に有利になるが、複数枚引くとその差で負けたりする。
強いがたくさん入れられない、エネルギーミラーの最も闇な部分。
3枚にしたこともあったが重ね引きのストレスで毎回サイドアウトしていたので2枚、3枚の人も勿論理解できます。

引かなきゃ話にならないので絶対4枚入れてください。

◆サイド

二郎

後述するが自分のサイドプランだとエネルギーミラーで8枚サイドインするカードが必要で、そのために用意した他のマッチでもサイドイン出来る丸い手札破壊。

と採用し始めた当初は考えていたが、これが中々にミラーマッチで有用。

《火の怒りのタイタン、フレージ》《一つの指輪》というミラーのキーを両方対処することが出来るカードは唯一無二である。

ミラーマッチでは早いターンに打たず、相手の《火の怒りのタイタン、フレージ》プレイを見届けてから後手3ターン目にプレイすると手札の《一つの指輪》や2枚目の《火の怒りのタイタン、フレージ》とダブル抜きすることが出来たりする。

他青単ベルチャーやエルドラージ、アミュレット、ティムール《研磨基地》などの《一つの指輪》デッキにもサイドインする。

☆《ドラニスの判事》効きランキング(ランキングではない)☆

ストーム◎
リビングエンド◎
研磨基地 ○
ベルチャー△
ぐるぐるロータス▲

環境のコンボデッキが多岐に渡り、ヘイトパーマネントを取りづらくなって来た。
《減衰球》はぐるぐるロータスとストームに強いが、ベルチャーやリビングエンドに弱い。
《攪乱のフルート》はベルチャーとぐるぐるロータスに強いがストームに弱いなど。

様々なヘイトパーマネントに裏目があり、その中で《ドラニスの判事》が一番マシだと考えたので2枚採用。

環境のコンボが多岐に(以下略)

対コンボ系に幅広くサイドインするカード。
《敏捷なこそ泥、ラガバン》サイドは意外に思われることが多いが、ミラーマッチ、ディミーアというTop2に弱いのでメインには入れたくないと考えている。

ソーサリースピードの2マナの除去。

範囲も広いようで3/4になった《魂の導き手》が触れないなど、痒いところに手が届かないもどかしさがあるカード。

メインターゲットとなる《一つの指輪》には1枚引かれてるし言いたいことはたくさんあるが、受けるカードでこれ以上がないので仕方がないかなといった印象。

どっちもどっち

比較は《スレイベンの魔除け》であるが、《一つの指輪》に触れないのが致命的で、他のモードも常に2流でこちらも感触が良くなかった。

《静牢》の3-4枚目の採用も検討したが、2枚でもエネルギー消費で家の家計は火の車なのでとても飼っていられない。

マルドゥの特徴

《虚無の呪文爆弾》は非常に強力な墓地対策カードで、大げさでなくマルドゥにする理由の一つかも知れない。

ミラーマッチの《火の怒りのタイタン、フレージ》にスマートに触れるのは勿論、ストーム、御霊、リビングエンドと幅広くサイドインすることが可能だ。

掃除機、霊柩車ね~⛅️💢

一番良いなと考えているのはジェスカイコントロールの《火の怒りのタイタン、フレージ》に対する対応。

出てくると非常に厄介だが、対戦相手のクリーチャーが概ねそれだけのため《電気放出》や《静牢》などは残せない。

そのため墓地対策で《火の怒りのタイタン、フレージ》を抑え込むことになるのだが、ここが《未認可霊柩車》や《除霊用掃除機》などの盤面に置いて継続的に墓地に干渉するパーマネントだと《空の怒り》でクリーチャーとまえとめて吹き飛んでしまう。

その点《虚無の呪文爆弾》であれば取り敢えず相手の墓地を追放しておくことが出来るし、ドローで他のカードに繋げることも出来る。

サイドボードガイド、ゲームプラン

◆エネルギーミラー

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