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専門家がおさえておくべき生前整理のポイント
■情報共有してますか?
遺品整理で困る人は誰だと思いますか?
当然ですが、故人の相続人です。
遺品整理の場面では、人知れず多くの「悲劇」が発生しています。
すなわち、
「故人やご家族にとってかけがえのない大切なモノが、当事者の自覚のないままに処分されて」しまっているのです。
故人の思い出の品や、家族の思い出の品は、故人とご家族との絆を保ち、あるいはより強くする、
ある意味遺産よりも貴重なモノです。
これが当事者の自覚なく処分されてしまうことは、「悲劇」と言わざるを得ないでしょう。
このような悲劇を回避するために、共有しておいた方が良い情報を6点ご紹介します。
①ご本人しか信仰されていない宗教
例えば、ご家族の中でご本人だけが信仰している宗教がある場合、
供養方法や没後に大切に保管しておいてほしいモノなどについて、
特殊な要望がある場合があります。
家族なので言わなくても知ってるだろうと思ってしまっていると、
後々それを把握していない家族が重要なモノを処分してしまい、大変なトラブルになることがあります。
本人が元気なうちに、どのように供養して欲しいのか、お世話になっているお寺などはあるかなど、
情報共有を促すようにしましょう。
②趣味のモノ
故人の趣味のモノは、残された家族が持っておいた方が良いのか、
捨てても良いのか、判断が難しい場合があります。
言葉や書面で、もし自分に何かあったら、これは持っておいて欲しい、
これは要らなければ捨ててもいいなどの情報も
共有しておくと遺品整理がスムーズに進みます。
また、趣味人の中では非常に価値が高く、換価性があっても、
知らない人にはゴミ同然、というモノもありますので、
価値が高いものがあるかもしっかりと確認をしておきましょう。
③ペット
故人からすると、家族同然であるペット。
ですが、残された家族は連れて帰れない、、、という場面が遺品整理の現場では数多く見られるといいます。
何かあった時には誰に託すのかを明確にしておくことで、ペットの安心にも繋がります。
④デジタル遺品
デジタル社会の現代では、ご自身の情報は全てパソコンやスマートフォンに保存している、
という方も少なくないのではないでしょうか?
特に故人のスマートフォンのパスワードが分からない場合は、
デジタル遺品の整理にかなりの手間を要します。
パスワードが分からず、インターネットバンクの解約や
毎月定額で支払いをしているサブスクリプションの退会ができない場合は、
専門の業者に依頼する必要があります。
包括支援センターなどは、高齢者向けに、いざという時の連絡先を書いておける緊急連絡先カードというものを用意しています。
名前や電話番号、住所などを書いておくカードですが、ここにパソコンやスマートフォンのパスワードも書いておくと、相続の際には非常に楽になります。
専門業者によるパスワードの解除には数十万〜といった高額なコストがかかる場合もありますので、パスワードの共有は必ずするように、アドバイスするのが良いでしょう。
緊急連絡先カードを私たちコンサルタントが用意して渡してあげるのも良いですね。
⑤必要書類
遺品整理は、重要書類を探すところからスタートします。
ですが、保管している場所がバラバラのケースが多く、必要な書類が見つからない場合があります。
不動産の権利証や金融商品に関する証書など、大事なモノだからこそ分けて保管されている場合も
ありますが、いずれにしても、いざというときには保管場所が家族にわかるように、あらかじめ伝えておく、文書として残しておく、といった対策が重要です。
⑥財産
これは書くまでもないかもしれないですが、財産の情報もしっかりと共有しておくことが重要です。
家族が知らない財産を保有しているケースは少なくありません。
コンサルタントの立場としては、相続対策の一環として、本人が保有している財産の棚卸をしっかりと
サポートしておきましょう。
このように、
命と同様に大切なコト・モノは、
①元気なうちに行方を決めておく
②意思表示・伝える準備をしておく
ということが、生前整理を進めていく上での第一歩となります。
■生前整理をしようと思う理由
遺品整理を考えるうえでは、生前整理がいかに重要かがお分かり頂けたかと思います。
しかし、他の相続対策と同様、あるいは、それ以上になかなか重い腰が上がらないのが生前整理です。
では、どうやってその重い腰を上げていただくか?
一つは、今回お伝えさせていただいた、生前整理をしていなかった場合に相続人に訪れる困難について、
ご本人によく知ってもらうことです。
家族に迷惑を掛けたくない、という気持ちは誰もが持っていますから、
生前整理しないことがどのくらい相続人に負担をかけることになるのかを自覚して頂ければ、準備を始めて頂ける可能性はグッと高まります。
もう一つは、今の自分のために、一旦身の回りのものの棚卸をして見ませんか?というアプローチです。
冒頭で触れたとおり、コロナの影響で住環境を向上したい、という意識は高まりました。
その意識と絡めて、不用品は手放して行きましょう、家の中を整理していきましょう、というアプローチに反応して頂ける方は増えています。
また、生前整理をしっかりとやり切るには大きなエネルギーを要するため、元気なうちでないとできません。
相続コンサルタントとしては、生前整理の意義をしっかりとお伝えし、ご本人の問題認識とその解消=安心をサポートしていきたいものですね。
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