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「苦手な人」との関係が、あなたを成長させる理由
苦手だと思う気持ちは成長の布石
Trinity Marriage カウンセラー 柴(しば)より
仕事をしていると、一度「この人、苦手だな」と思ってしまうことがあります。そんな時、無意識に心理的な壁を作り、相手との関係がぎくしゃくしてしまう。これは誰しも経験があるのではないでしょうか?
心理的防衛は、実は仕事だけでなく、友人関係や恋愛関係にも起こり得ます。これらの関係でも、一度「この人無理かも」と思ってしまうと、そこから抜け出すのは容易ではありません。
今日は、こうした心理的防衛について、どう向き合い、どう乗り越えていくかを考えてみたいと思います。
無理のしすぎは必要ない
まず、忘れないでほしいのは、無理をしすぎる必要はないということです。
本当に「もう一緒にいたくない」「この関係を続けるのが辛い」と思うなら、距離を置いたり、関係を終わらせるのも選択肢の一つです。
人間関係に推奨はあれど、義務はない。
これは、私が離婚の相談を受ける際にも最初にお伝えすることです。「結婚生活を続けるべき」「友人関係を守るべき」という義務感を手放したところから、自分らしい選択が始まります。
もちろん、その先の振る舞いについては、各々の美学があるでしょう。それは「どう生きるか」という、自分の人生哲学に基づくものだからです。
婚活における「無理だな」のケース
結婚相談所でも、交際中に「この人、無理だな」と思って交際を終了する方は少なくありません。
こうした判断が正しい場合もあれば、一方で、自分の固定観念やマインドセットに原因があることもあります。
たとえば、相手のちょっとした癖や意見の違いを見逃せずに、「この人とは無理」と即座に切り捨ててしまう場合。実は、それは自分が何かに固執しているからかもしれません。
固執するべきことか?
「美学に反するから」と主張することが悪いわけではありません。ただし、それが本当に守るべき美学なのか、あるいは単なる**「変わりたくない」という固執**なのかは、一度立ち止まって考えてみる必要があります。
たとえば…
• 自分が思い描いていた「理想の相手像」に固執していないか?
• 相手の短所ばかりを見て、長所を見逃していないか?
• 苦手な部分に対して過剰に反応していないか?
私は彼氏のことを清潔でかっこいいと思っていたのに、家に初めて行ったら床に飲み終わった缶が置いているとか許せなかった…
婚約者の友人に会ったら、派手な女性ばかりで、彼女自身が派手な遊びをしているんじゃないかと疑ってしまい、今の彼女を見ることができなくなってしまった…
すべては、自分がある意味勝手に抱いたイメージ・期待どのギャップがあなたを苦しませているのかもしれないです。
固執することが本当に大切なものかを見極めることで、今の自分に必要な変化が見えてくるかもしれません。
苦手だと思う気持ちをどう捉えるか
「苦手だな」と思う気持ちは、それ自体を否定する必要はありません。むしろ、その感情を自分が成長するための布石として捉えてみましょう。
自分に問いかけるべきこと
1. なぜこの人を苦手だと感じるのか?
• 相手のどんな言動や態度が自分に引っかかっているのかを具体化します。
2. その苦手意識は、過去の経験に起因しているか?
• 以前の嫌な出来事やトラウマが、現在の感情に影響を与えていることがあります。
3. 自分は何に固執しているのか?
• 自分の価値観や理想に固執しすぎていないかを考えます。
部屋が汚かった彼氏は、その前日も仕事が忙しくて、掃除する暇がなかったとか事情があるかもしれないです。
彼女の派手な友人関係も、人間関係の中の1部分に過ぎないし、何よりそれだけで彼女の価値が決まるわけではなく、婚約まで至った彼女の素晴らしい美点に目を向けるのはいかがでしょうか。
固執を手放す準備をする
自分が何に固執しているのかが分かれば、それを手放す準備ができます。
たとえば、次のような行動を取ってみるのも効果的です。
• 相手の長所を見つける努力をする
苦手な部分だけでなく、相手の良いところを探してみましょう。
• 「苦手」をポジティブな学びに変える
相手の苦手な部分を通じて、自分の感情や価値観を客観的に見つめるきっかけにします。
• 相手とのコミュニケーションを増やしてみる
苦手意識を薄めるために、相手のことをもっと知る努力をしてみます。
最後に
人間関係において、「無理をしない」という選択は大切です。ただし、そこから一歩進んで、「なぜ無理だと感じるのか」「自分は何に固執しているのか」を理解し、自分自身をアップデートする機会にすることもできます。
心理的防衛は誰にでも起こり得るものですが、それを見つめ直すことで、自分の成長や新しい視点が得られるかもしれません。そしてその経験が、次の人間関係や恋愛において、より豊かな選択をする助けとなるでしょう。
柴
Trinity Marriage カウンセラー