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マイノリティの容姿で生きる
先ほど、こんな記事をみつけました。
見た目問題に強い関心を持つ朝日新聞記者が、特殊メイクで顔にあざを作ります。そのメイクのまま街に出て、行きかう人々がどのような反応を見せるかという実験を行ったルポです。
視線が私の体にまとわりつくような感覚に、当事者が「見られていることを肌で感じる」と言っていた意味が、少しわかりました。
記者は実験中、公園で小学生の子ども達にひそひそ話をされたり、道を尋ねようと話しかけた女性に逃げられるという体験をします。
読み進めていくうちに気が付いたのですが、これは「人種的に容姿が異なるマイノリティ」がよその国で暮らす時の感覚に近いのではないかと思い至りました。
私は今まで、リビア→スコットランド→オランダと移り住んできました。
どこの国でも、私のような東アジア人はマイノリティです。
大人の視線は国によって強弱ありますが、ここでもやはり顕著なのは子供たち。
さすがに話しかけて逃げられたことはありませんが、子供(乳児~幼児)からの凝視は日常茶飯事です。あるある過ぎて、幼児の視線にはもう何も感じません。
まあ、子供からは危害を加えられないだろうと高をくくっているからなのですが。あるとしたら、石を投げられるとか?でも、お陰さまでまだ未体験です。
それでも2度ほど、幼児に唾を吐かれたことがありますが、命中はしませんでした。どちらの幼児も、当地のローカル人ではない移民だったと思います。自分が唾を吐かれたことより、マイノリティ同士でヘイトをぶつけ合う現実が悲しかったです。きっと親が似たようなことをしているんでしょうね。
そんなことを考えながら、ふと娘のことを思いました。
私は自分の意志でマイノリティ暮らしをしています。でも親に付き合わされ、自分の意志とは関係なく外国暮らしをしている娘は? まだ小学生なので、「素直な反応をする子供たち」に毎日囲まれています。
良い機会なので、彼女に「他の子と違う見かけでいることをどう思う?」と訊ねてみました。
「私は生まれてからずっと外国暮らしなので、これが普通。ママは日本で周囲と同じという感覚を知ってるから違和感あるかもしれないけど、私は昔からこうだから特に何とも思わない」
とのことでした。
もしかしたら親(わたし)を悲しませないような回答をしてくれたのかもしれませんが、お陰さまで今のところ周囲との違いに委縮してはいないようです。また数年後にでも、改めて質問してみようと思います。
冒頭で紹介した記事の後半で、記者は以下のように述べていました。
取材の中で、私が道を尋ねた高齢の女性が「かつて先生に同じようなあざがあったから気にならなかった」と言っていたのが印象的でした。取材に同席した同僚も、「時間が経つにつれ、あざのある顔に慣れてきた」と語りました。
慣れ。
もしくは、自分と異なる容姿の人々との交流。
先ほど書いた「私に唾を吐いた幼児たち」も、私や娘のような存在に慣れたら、あのような態度はとらなくなってくれるますかね。
それでも人生は続くので、今日も明日も、私たち家族はこの姿で生きていきます。
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