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「小説」掴まれし者たちへ #2
「扉」
「ズッドーン」
まるで次元の裂け目に爆弾が落ち、それが引き裂かれたような衝撃を感じた。
車の中だ。
「出なくては」と本能的に感じた。
ドアを開けて転がり落ちる。
肉体に掴まれた意識はそこから簡単には抜け出せない。
ガッツリと肉体へ掴まれた謎の意識には、空中を漂うようなフワついた感覚など微塵もないのだ。
意識は眠りに入らない。
「ヤバい…」
そこには死を目前にした四つん這いの野良犬のような体があった。
体が地面の中へ引きずり込まれて行く。
是が非でも悪魔が地面へ引きずり込むような強い引力の力からは簡単には逃れられない。
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