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飛行機が台風の影響で結構・遅延する理由|台風の上や中は飛べるの?

台風が来るとよく飛行機の便が欠航になったり遅延したりすると思います。

「天候が悪いから飛べないよね」と納得できる人であればそれでいいのですが

・台風だとなんで飛べないの?
・天気悪くても頑張ればなんとか飛べるんじゃないの?
・そんなに天気悪くなくない?

と疑問に思う人に向けて、台風の何が影響して、どういう理由で「飛ばない」「飛べない」という判断になっているのかという話をしてみます。

台風=飛べない ではない

厳密にいうと、台風だから飛べないということではありません。

航空機には離発着に関する制限がありまして、この離発着が可能かどうかの気象条件の制限にひっかかりやすいのが台風ということになります。

離発着できる条件となる要素は3つ

・風(横風の成分)
・視程(見通し距離)
・シーリング(雲底の高さ)

(以前の動画でも簡単に説明しています)

制限となる数字は、各飛行場や航空機の種類によって異なりますが、

・横風が強すぎる
・見通しが悪すぎる
・雲が低すぎる

のどれか、もしくは複数の条件にひっかかると飛行機は離陸・着陸ができません。

これは、航空会社のリスク回避のための判断だったり、パイロットの技術的な問題ではありません。

飛行場のルール上の制限や、機体の性能限界の話ですのでどうしようもありません。

飛行場の天候が悪い場合は、飛べないというか飛んではいけないと決まっているということです。

このように、航空機が飛べないような天候がしばらく回復する見込みがない場合は欠航の判断になります。

天気が良くても飛べない理由

場合によっては

そんなに天気が悪いとは思えないのに、なぜか飛行機が飛んでくれない

というとき。

これは、今あなたがいる飛行場ではない他の場所の飛行場が悪天候であることが影響している可能性が大きいです。

■着陸する飛行場の天気が悪い

例えば、離陸する(出発する)飛行場の天気がよくても、着陸する目的地の飛行場の天気が悪かったら飛びません。

飛んでも着陸ができないので。

で、天気の良し悪しの判断は「今」ではなく「着陸時刻」にどうなっているかです。

仮に2時間のフライトだとしたら2時間後の目的地の飛行場が着陸できる天候かどうかです。

今・この場所の天気が良くても、数時間後・別の場所の天気の影響で飛べないという判断になっている可能性があります。

■使用する機体が無い

もう一つ、他の便の影響によって、あなたが乗る飛行機が用意できなくなっていることもあります。

例えば、

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・飛行場A
・飛行場B
・飛行場C

とあったとして、あなたは飛行場B→Cの便に乗る予定で、飛行場Bで出発を待っている。とします。

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でも、飛行場Aの天候が悪くて、飛行場A→Bの便が欠航したり遅延していると、飛行場B→Cの便に利用する機体が用意できないとうことになります。

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都会に住んでいる人なら電車で経験していると思います。

どこかで電車が事故などで止まったら、その先の路線全てに影響がでるやつです。

フライト中の台風の影響

では、離発着とは別にフライト中に台風による影響があるかどうかの話です。

■台風を避ける経路をとる

台風が最も影響を与えるのは離発着の部分であって、一旦離陸して上空に上がってしまえば台風の影響を回避してフライトすることは可能です。

単純に、台風など悪天候の影響が出る範囲を避ける経路をとって運行すればいいわけです。

ただ、台風を避けるために大きく迂回するような経路をとらなければならない場合などは、フライト時間が伸びたり・燃料の必要量が変わったりすることで、結果的に飛べないと判断される可能性もあるでしょう。

■条件が良ければ台風の上を通過することも

では、

台風の上を飛び越えたらいいじゃん!という意見もあると思うので回答。

基本的には厳しいけど、なんとか台風の上を飛べる状況もありえるという感じ。

なぜ台風の上を飛ぶのが厳しいかと言うと、台風は高いから。

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もちろん台風によりますが、大型のものでは上空10kmを越えるものあります。3万フィートとか。

これを飛び越えるには、通常飛行機が巡航している高度よりはるか高高度を飛ぶ必要があります。

航空機は機体の性能限界的に、上がれる高度にも限界があります。

なので、航空機の種類によってはそもそも台風の上まで上がれない機種も普通にあります。

台風より高く飛べる性能を有した航空機であっても、台風を避けるために高く飛ぶと、通常の運行高度と比較して安全マージンが減ります。

なので、

・比較的小型で低い台風である
・台風の上を飛べるだけの性能を有している航空機である
・高高度を飛んでも安全マージンが確保できる(積載物などが少なく機体が軽いなどの状況)
・台風の上を飛ぶことで機体が揺れて乗り心地が悪くなること受け入れられる

これらの条件を満たした状態であれば台風の上を通過するというパイロットの判断が出るかもしれません。

まぁパイロット的には飛ばなくていいなら台風の上は飛びたくはないと思います。

■台風の中は飛べない

最後に

台風の中を飛んだらどうなるの?という疑問について。

どこからどこまでを台風と言かは微妙なのですが、台風を端から端まで突っ切るという意味で言うと飛べません。

簡単に言うと、飛行機には入っていい雲と入ったらダメな(死ぬ)雲がありまして、台風みたいなのは入ったらダメなものに分類されます。

雲の種類って10種類とかたくさんあるんですけど、入ったらダメな雲の一つが積乱雲(Cb)。

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台風などの悪天候になる雲がこれに該当します。

・黒くて
・高くて
・大気が非常に不安定になっている
・ラピュタみたいなやつ

実際に台風の中を飛んだことはありませんが(あったらたぶん死んでる)、航空機が台風に突っ込んだ場合に考えられる事象の例はたぶんこんな感じ。

・機体が凍って翼型が変わって、まともに飛べなくなる
・氷がエンジンに入ってエンジンが壊れる
・雹で機体が傷つく(傷ついてどうなるかは知らん)
・乱気流により機体の対G制限を越えて羽や航空機の骨格が歪む
・雷に直撃したら、たぶんちょっと計器が狂ったり、落雷したポイントが少し焦げるかも

まぁ、こんな感じかと思います。実際入ったこと無いのでわかりませんが。

まとめ

ということで、台風は危ないので、台風が来ている期間はくれぐれも安全を優先して生活することをおすすめします。

残念ながら人間は自然には勝てません。

では、ご視聴ありがとうございました。

10種雲形
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Wolkenstockwerke.png
台風の断面図
https://tenki.jp/docs/note/typhoon/page-2.html

Youtube動画版


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