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パイロットは風邪薬が飲めない|薬を飲むには航空医学専門の医師の許可が必要

今回は「パイロットは風邪薬が飲めません」という話をします。

風邪薬に限らず、薬全般が飲むことができません。

これは航空法第70条に定められている内容に伴うものになります。

一応、航空法の内容を見てみたいと思います。航空法第70条にはこのように書いてあります。

航空機乗組員は清酒飲料または麻酔剤その他の薬品の影響により航空機の正常な運行ができないおそれがある間はその航空業務を行ってはならない

とあります。

何かしらの薬だったり薬品の影響がある場合は航空機に搭乗できないということになってますね。

ちなみに市販の風邪薬にも実際は「車の運転など控えるように」と記載があるはずです。
試しに某有名な風邪薬の一つの注意書きにどのように書いてあるかを見てみたいと思います。

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使用上の注意 してはいけないこと

服用後乗物又は機械類の運転操作をしないで下さい
(眠気等があらわれることがあります)

風邪薬の副作用で眠気が起きるので運転とか機械の操作やらないでねっていうことが書いてあります。

ただ実際皆さんは車の運転ぐらいであれば風邪薬飲んで運転しちゃってる人結構いると思うんですね。

ここの判断基準というか、薬を飲んだ状態でやって良い悪いの判断が航空機のパイロットの場合は基準が厳しいよっていう話ですね。

アスリートがドーピング検査に引っかからないために風邪薬も市販のものは何も口にできないっていうのと似てると思います。

では、風邪薬が飲めないのであれば、風邪を引いた時とか風邪に限らず体調が悪い時って実際どうやってるのっていう話をいくつかしてみたいと思います。

まずはどうしても薬を飲む必要がある場合。

薬の影響があるときは航空業務ができないんですけれども、完全に薬が飲めない・全く飲めないというわけではありません。

航空医学の専門の医師から処方されたものであれば薬の服用が可能です。

これはあくまでも航空医学専門の医師から許可を得る必要があります。

なぜかと言うと、副作用などの影響が地上と空中だと違う可能性がありますし、後の影響の度合いですね。

車の運転だったらいいけど飛行機の場合は駄目、一般の生活ができるできないとパイロットの場合の判断基準は違ってくるので。

絶対に航空医学を専門にしている医師の許可が必要です。

とはいえ実際のところですが専門の医師に処方してもらってまで薬を飲むことは少ないのかなっていう気がします。

薬が必要なぐらいもし体調が悪いのであればそれはもう休むべき時です。

後は慢性的に薬が必要な症状を抱えている人。

のような場合は許可を得て薬を飲んでいるかもしれません。

ただ慢性的に薬が必要な症状が何かあるっていうことは、そもそも航空検査に通らな可能性もありますのでそういったケースとしては少ないのかなあと思います。

例えば花粉症の人とかは大変そうです。一度花粉症になったら基本的にずっと花粉症ですし。日常的に薬が必要じゃないですか。

それでフライトができるのかどうかってところですね。

余談になりますが花粉症などで鼻が詰まっているとフライトをするのが厳しいという話はあります。

鼻が詰まってると耳抜きができないんですよね。

飛行機に限らずダイビングをする人とか気圧が変化する環境にいる人はどうしても耳抜きができないといけません。

つまり外と体内の気圧のバランスを調整するってことですね。

鼻が詰まっていると飛行機に乗って上空に上がれなかったり、その逆で上がるのは普通に上がれるけど降りて来れなくなるという人もいた。というか話は聞いたことあります。

低いところで飛んでる分にはいいけど、一回上がっちゃったら降りようとすると耳抜きが出来なくて耳が痛くなるので、低いところでしか飛んでられないって言ってた人は見たことがあります。

ですので、実質フライトできなくなっちゃう。

こういった人は本人の症状毎の対処法を何かしら取ってるんだろうなと思います。

こういった「薬がなかなか飲みにくい」っていう理由があるので、そもそも風邪をひいたり、体調を崩したりということがないようにするのが一番いいんですけども、人間は風邪をひくものなので難しい部分もあると思います。

そもそも風邪ひかないっていうのができればそれでいいですけどもそうもいかないですよね。

それと後はあまり良くないんですけど、気合で風邪をひいていないことにする。っていうケースも多々あると思います。

結局、風邪なんて自己申告なので。

自分が風邪ひいてないって言ってしまえば風邪じゃないんですよね。

外から見てわかるわけじゃないですし

パイロットは薬を許可なしに飲んではいけないので勝手に薬を飲むなっていうことは
言われます。

するとどうなるかっていうと

風邪をひいて、一緒に乗るクルーとか機長とかに風邪をひいたので風邪薬飲んでいいすか?
と聞くとするじゃないですか

そしたらもちろん周りの人間は風邪薬飲んでいいよとは言えないので
じゃあどうなるかというと

風邪なんてひいてんじゃねーよ

って話になってしまうんですよね

なので薬が飲めないのであれば

風邪は引いてないと言い張るしかなくなる部分はあると思います。

まぁ、こういったケースがあるのでやはり建前だけの余計なルールとかは作らない方がいいのかなっていう気がしています。

ここは飲酒問題の話に繋がるんですけども、飲酒していることは呼気検査とかすればバレるんですけど。
風邪はね、体調多少悪くても大丈夫ですって。私は僕は元気ですと言えばそれで済むので。
薬を飲まずにフライトしてしまう形になるのかなと思います。

このように薬を飲んではいけないっていうルールは、もちろん安全に運行するために作られたルールなんですけど、ルールがあればあるほど業務効率は下がってしまうので、安全と効率のちょうどいいバランスのところでルールを作るのはなかなか難しいです。

はいではパイロットは風邪薬飲めませんという話でした。

では皆さんも健康管理には是非気をつけて生活してください

■パブロンエース
https://www.catalog-taisho.com/pdf_product/04617_Explanation1.pdf
■航空法
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=327AC0000000231



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