【No.36】採用工学のススメ ~面接で「苦労した話」が求められるシンプルな理由
No.36
━━━━━━━━━━━━━━採用工学のススメ━━━━━━━━━━━━━━━━
面接で「苦労した話」が求められるシンプルな理由
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みなさん、こんにちは。藤原ユウマです。今週も採用工学のススメをお読み頂きましてありがとうございます。
6月に入りました。就職活動生にとっては、いよいよ本番突入ですね。1日の選考解禁日には、いつも以上にリクルートスーツを着た若者たちを街中で見かけましたね。みなさん、希望の企業から内定を獲るために頑張ってください。
さて、厳しい競争を強いられているのは、何も学生だけではありません。企業にとっても、昨今の採用難の環境下においては、学生の集客、そして採用に結びつけるまでのアプローチは決して楽ではありません。特に多くの中小企業にとっては、売り手市場の現在の市況は、かなり強めな向かい風となっており、選考解禁となってからも学生からの応募が一向に集まらないという話はごく一般的ですね。
採用力の弱い企業の中には、初任給をアップすることで、魅力喚起して応募を増やそうと画策しているようですが、これは上手く行かないでしょう。初任給を上げると言っても、良くて数万円〜10万円程度でしょうし、多くの学生は企業の魅力を「総合評価」しているので、初任給が多少上がっても大勢を変えるほどの効果は見込めませんね。また、新卒向けの初任給をあげることは、既存社員との給与テーブルの調整が時には必要になるので、組織全体を見直すという膨大なパワーがとられることになるのもオススメできない点の一つです。
また、これから先のことも考えると、人材不足は恒常的に続いていくのは明らかなので、場当たり的な初任給アップは効果のない施策、むしろ百害あって一利無しと言っても良いかもしれません。今後、企業が採用成功させるために必要なのは、多角的に自社の採用力を高めていくことでしょう。人々の価値観も多様化しており、例えば給与アップのように、コレさえやっておけば採用に強くなるという魔法は存在しません。
HPの整備、SNSでの継続的な情報発信、説明会・面接での直接コミュニケーションにおける魅力喚起、内定後の最終的なクロージング、そしてそれら学生との接点を俯瞰的に見て必要な時に必要なコトを実行する全体戦略。
ネットやSNSを通じて学生にも企業情報が筒抜けの時代、つまり他社比較が容易な時代においては、全体戦略を持って、一つひとつのアクションに目的をもって、ストーリーに沿った採用活動を実行していくことが必要な訳ですね。これを自社でできるようになることが、「採用力を高める」ということです。魅力的な社員の採用参加やワークスタイルをPRなど、企業ができること・した方が良いことは沢山あります。成長を志向する企業にとっては、自社採用力の向上に待った無しの時代に突入ですね。
■中小企業、学生集めに苦戦 就職面接解禁
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ01I3Z_01062017TJ1000/
さて、それでは今週の内容です。
【今週の目次】
1.面接で「苦労した話」が求められるシンプルな理由
2.今週のトピックステーマ
3.気になるアイテム
4.お悩み人生相談 Q&A
5.読者感想コーナー
6.終わりに
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1.面接で「苦労した話」が求められるシンプルな理由
今週から一斉に全国各地で企業の選考活動がスタートしましたね。就職活動生は、毎日のように面接があり、スケジュールが就活一色になるシーズンです。さて、今回はそんな面接時における質問で、頻出のテーマについて考察したいと思います。みなさんも良く耳にすると思いますが、面接において「今までで最も辛かった話を教えてください」「人生最大の困難は何か、そしてどのように乗り越えたか」といった「苦労経験」に関する質問は頻出です。
個人的な肌感覚では、5回に4回くらいの割合で、この苦労経験についての質問がされているのではないかと思う程に、面接をクリアするためには超えなければならない壁とも言えるキラークエッションですね。
では、なぜそれほどまでに企業は苦労経験について質問してくるのでしょうか。良く言われるのは、苦労した経験とそれをどのように乗り越えたかを聞くことで、応募者の「ガッツ・根性」や「逆境を打破するチャレンジ精神」などを見ているというものです。これらのポイントを企業は重要視していますし、もちろん苦労経験についての質問を通じて、忍耐力や気概を見極めたいと思っていることも間違いではありません。
けれども、その部分のみを見たいのであれば、別に成功体験でも良い訳ですね。「ガッツや忍耐力を持って、プロジェクトに挑戦して上手く行きました」という話でも、全く支障はないはずです。
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