【No.16】採用工学のススメ ~学歴フィルターを取り入れる「当然の理由「と「導入企業に共通する特徴」~
No.16
━━━━━━━━━━━━━━採用工学のススメ━━━━━━━━━━━━━━━━
学歴フィルターを取り入れる「当然の理由「と「導入企業に共通する特徴」
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みなさん、こんにちは。藤原ユウマです。今週も採用工学のススメをお読み頂きましてありがとうございます。
先週末は14日(土)、15日(日)とセンター試験でしたね。受験生のみなさんには、これまでの努力に華を咲かせてもらいたいですね。当日は積雪の中、試験会場に向かう学生で街は溢れ、一部地域では雪のために試験開始時間に遅れが出る等、恒例と言っても差し支えない混乱が例年通り起きました。これほどまでの大人数が一気に集まるという試験スタイルは受験者にかなり負担を強いるものですが、では変わりの手段があるかと問われたら口ごもってしまうのは悩ましい所です。
さて、最近ではそのセンター試験についてあれこれ議論になることが多いですよね。2020年から、センター試験を現行の年一回の試験から年複数回の実施を検討したり(この案は無しの方向に収まるようです)、マークシート形式の回答方法から記述式の導入への変更を目指して、その道筋を探っているような状況です。
教育の場ではここ十数年ずっと言われていた、これまでの知識詰め込み型の教育から、自ら考えて答えの無い問いへ立ち向かっていくような人材を育成する教育への変革を目指して、センター試験にも大鉈を振るおうという運びのようです。この問題については議論が尽きませんが、知識偏重の現行スタイルよりも、思考力を問う新しいスタイルへの移行は、行き詰まった成熟社会の日本の現状打破や多様性を求める時代に沿っており、悪いものでは無いでしょう。
けれども、残念ながらセンター試験をマークシートから記述式に移しても、育ってくる学生の質が変わるかというと簡単にはいかないのではないかと推測しています。
というのも、「じゃあ、それって誰が採点するの?」というシンプルな理由があるからです。 学生が精一杯脳みそをグルングルン回して記述した回答を、誰が○か×か、コレは10点、ソレは7点などのグラデーションをつけて採点できるのかという根本的な大問題が残っている訳ですよね。
記述式というのは、知識のみならず論理的思考力や文章力が必要になるので、次代の日本を担う人材を育てる意味では有効だとは思いますが、実際は採点官の定性能力を数値化して決めることは極めて不可能に近いですし、このキーワードが入っていたら何点みたいなやり方ではキーワードを拾った長文を書いた者勝ちになって、試験の体をなさなくなってしまいます。
加えて、だれが採点官を務めるかについては議論の最中とのことですが、現状最も可能性の高いとされるのが大学教授。ただでさえ、研究や授業を担っている教授陣に数百から数千、多ければ数万におよぶ採点をさせるのは、本人含めた大学側への負担が大きすぎますしね。マークシートからの移行という崇高な理念を実現させるには、ハードルは低く無さそうです。
とは言え、受験を控えた学生の皆さんはどうすれば良いかというと、少なくともしっかりと勉強を続けていれば良いと思います。現状の日本社会では、学歴を重視する人々は多数いますし、それで回る組織も多いものです。学歴採用という言葉にあるように、幸か不幸かわかりませんが、学歴が自分の武器になる社会ですので、もらえる学歴はもらっておいた方が得ではあるでしょう。ということで、今週のメルマガでは、先週に引き続き「学歴採用・顔採用・コネ入社」について考察していきたいと思います。
さて、それでは今週の内容です。
【今週の目次】
1.学歴フィルターを取り入れる「当然の理由「と「導入企業に共通する特徴」
2.今週のトピックステーマ
3.気になるアイテム
4.お悩み人生相談 Q&A
5.読者感想コーナー
6.終わりに
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1.学歴フィルターを取り入れる「当然の理由「と「導入企業に共通する特徴」
前回は「学歴採用・顔採用・コネ入社が存在することを認めてしまおう」というテーマを考察しましたが、今回はより具体的なケーススタディとして、どういった場合に学歴採用・顔採用・コネ入社が生じるのか(企業が取り入れるのか)を分析していきたいと思います。
まず、前回もお伝えしましたが、これらの方法を企業が導入する理由はたった一つに集約されます。
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