【No.9】採用工学のススメ ~「面接において何をアピールすれば良いか?」への唯一の答え~
No.9
━━━━━━━━━━━━━━採用工学のススメ━━━━━━━━━━━━━━━━
「面接において何をアピールすれば良いか?」への唯一の答え━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
みなさん、こんにちは。藤原ユウマです。今週も採用工学のススメをお読み頂きましてありがとうございます。
タクシー配車アプリとして有名なUberが「運転手に感謝を伝える」ことができる新機能を導入するようです。この手のCtoCサービスの肝は相互評価による信頼性の担保にあったりするので、非常に良い取り組みだと思われます。
「ユーザーが運転手を5段階で評価できる機能はすでにあるが、新しい機能では、あらかじめ登録されている褒め言葉を選ぶか、あるいはユーザーが自分で評価を書き、レビューに加えることができる。」とのことで、チップの受け渡しの代わりという意見があるようですが、そんな所には本質はありません。
ユーザー(乗客)が詳細なレビューを記載したり、ボタン1つで感謝を伝えたりすることで、Uberの運転手とユーザーの「質」が担保されるようになります。早い話が、変な人が廃除されるようになる訳ですね。サービスの特性上、タクシーという密室空間に会ったこともない初対面同士で居あわせる訳で、特に女性は身体的な危険もあるため、相手がどんな人であるか一定の評価があれば安心して乗車できます。
また、運転手からすれば自身の運転に対してユーザーがどう感じたか、レビューを通じて知ることができます。これは運転技術の向上というビジネススキルアップの話に留まらず、承認欲求に働きかける機能です。仕事を通して感謝を得るという極上の体験を求めて新たに参入する運転手や、レビューを集めるために仕事にはげむようになる運転手も出てくるでしょう。
もちろん、良い評価をもらうために、ドライビング技術の向上や素晴らしい接客を提供したりと快適なタクシーがUber内に増えるよう促す仕組みでもあります。Uberはこの感謝制度をベースに、ある種CGMのようにコミュニティをつくることを考えていると思われますし、このコミュニティ機能こそが他社との最大の差別化(または参入障壁)になるのではないかと考えます。
マッチングサービスにおいては、こういった金銭的な売買以外に、こういったソフト面の価値を生み出せるかどうかが、長く使い続けられるサービスになれるかどうかを分けますよね。日本では規制などの面でまだまだ苦戦しているUberですが、素敵かつクリティカルな新機能を引っさげて成長は続きそうですね。
Uber、運転手に感謝を伝えられる新機能を導入へ
http://japan.cnet.com/news/service/35092547/?ref=newspicks
また、同じくシェアリングエコノミーの雄であるAirbnbも新サービス「Trips」を提供開始することを発表しました。旅行時や宿泊先での体験ツアーやオススメ観光プランなどを、CtoCマッチングモデルで提供するサービスの様子。これまでも「Voyagin」など、似たようなサービスはありましたが、Airbnbが参入して来たことでCtoC企画旅行の普及は加速度的に進むと思われます。
一方、既存の旅行企画サービスは戦々恐々といったところではないでしょうか。旅行という分野に関しては、国内外問わずにグローバルに展開しているサービスの方が圧倒的に優位性を持てますし、世界最大の民泊サービスを有するAirbnbとの相性の良さは自明です。
このサービスは「個人でも面白い旅行を企画して、それをビジネスにできる」という特性上、また新たなインフルエンサーを生み出すように思いますが、企業から個人にパワーが流れていく時流は不可避ですね。
キュレーションメディアが流行り始めてすでに定着した感がありますが、今後は個人でも特定の分野に強い人はキュレーター(編集者、選別・構成する人の意)となっていくので、この「Trips」においても旅行経験豊富な人や自身の周囲の地域・イベントに明るい人はビジネスを始めるチャンスのように感じます。
例えば、この国・地域であればここを見よう、といったわかりやすいプランから、東南アジアを周遊するにはこのルートでこんなイベントを網羅すると良い、身近な地域の伝統料理を一緒につくってみるプランなど、小さなニーズに向けたプランを大きなプラットフォームの力で救い上げてくれる可能性があるからです。Trips、今後どのようにサービス展開が進んでいくか楽しみです。
Airbnb、宿泊の枠を超える新サービス「Trips」を提供開始--体験ツアーやおすすめ情報も
http://japan.cnet.com/news/service/35092402/
さて、それでは今週の内容です。
【今週の目次】
1.「面接において何をアピールすれば良いか?」への唯一の答え
2.今週のトピックステーマ
3.気になるアイテム
4.お悩み人生相談 Q&A
5.読者感想コーナー
6.終わりに
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1.「面接において何をアピールすれば良いか?」への唯一の答え
先週まで主に「企業からみた採用戦略」について話してきたのですが、今回は代わって「個人からみた求職戦略」をピックアップしてみたいと思います。
私が普段キャリアコンサルティングをしている中で、最も多くいただく質問の1つがこちら。
「面接では、企業に何をアピールしたら良いですか?」
これですね。もう10人話したら9人くらいからはいただくお決まりの質問です。
ですが、この質問がでてくる時点でかなり危険だと思っています。この質問をしてしまう人は、面接において低い評価になってしまっている可能性が大なのです。
もし、就職活動にはげむ学生や転職活動中の社会人の方などで、何の気なしにこの質問をしてしまっている人がいたら要注意。あなたは世の中の大多数と同じく、「面接で評価されない普通の人」になってしまっている可能性があります。そして、その多くの人は面接などの選考を「運頼み」で進めてしまっているんですよね。
今回は、この「面接では、企業に何をアピールしたら良いですか?」という質問に度直球のストレートで答えようと思います。
まず、いきなりですが回答からいきますね。こちらです。
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