【アニメ感想】2022年春アニメおすすめ紹介
アニメ本編の内容に触れております!
今季アニメについて、個人的総括をしたいと思います。今季アニメは、アニメらしい派手なバトルアクションよりも、いわばドラマと言えるアニメの作品群が目立っていたように感じました。
今季一脚光を浴びた『SPY×FAMILY』は三人のドラマ+コメディ要素を主軸として、スパイ&殺し屋らしいアクションシーンや各キャラクターの魅力もあるなど、盛りだくさんの作品になっていました。
また、音楽に主軸を置いた二作品もお互いに別ベクトルの輝きを見せていた。また学園ものでは、続編が待ち望まれた『かぐや様は告らせたい -ウルトラロマンティ』や『古見さんは、コミュ障です。』など特異な学園ものも春アニメに彩りを添えています。
ここでは、私の個人的おすすめ五選を紹介します。
1. ダンス・ダンス・ダンス―ル
今季が始まった真っ先に魅入られたのは、『ダンス・ダンス・ダンスール』でした。バレエの舞台を見て、目を輝かせる少年。その少年が主人公であることがすぐにわかります。少年の見た目の高揚ぶりに劣らず、アニメを見る私たちが彼の視点を借りて見ている視点も彼の高揚ぶりを伝えてきます。バレエダンサーが飛び跳ねるごとに、ぱちぱちと色彩豊かな星が光輝きます。
主人公の潤平が様々な困難にぶつかりながらも、バレエの道へ入り、その道を駆けあがっていく道は爽快な気分にさせてくれます。また、そのための布石となる困難も重みをもつ、切実な悩みや課題に繋がってきます。
困難の例を二つ挙げると、第一に、「男がバレエをやる」という意識との闘いです。主人公は父親がアクション映画の監督であったこともあり、そして彼も父に倣ってジークンドー教室に通っている。いわば「男らしさ」の中で育てられてきた彼。幼少期の頃に彼は、バレエ教室に通っていたが、「男らしさ」の意識や周囲の目を気にして、バレエをやめてしまいます。
しかし、同級生の都に誘われ、彼女の母親が経営する五代バレエ教室でバレエを再開します。そこから、きらきら輝くバレエをやりたい彼の気持ちと「男らしくあらねば」と彼の深く根付いた価値観とがぶつかり合っていきます。彼はそのぶつかり合いを克服するのですが、その折り合いの付け方は本作を見ていただけたらと思います。
第二に、幼少期にバレエをやめた彼を待ち受けるのは、少年期にバレエに取り組んでいなかったブランクでした。もちろん、それは少年期に成長しやすいという一般的な意味でもありますが、重要なのは体つきはまだしも、バレエ独特の基本動作・所作が体に全く染みついていないことでした。
長期間のブランクを埋めるため、また今までバレエができなかった抑圧から解放されたために、彼はバレエに楽しそうにかつ真剣にバレエに取り組んでいく。
『ダンス・ダンス・ダンスール』はそんな彼のバレエへの挑戦とその挑戦に関わる人たちとのドラマを描き切っています。本作のアニメーション制作を担当しているMAPPAの尽力もあり、アクションに富みながらも、バレエ独特の優美な動きが楽しめます。
ぜひアニメーションで楽しんみてはどうでしょうか。
2. パリピ孔明
タイトルから感じる違和感。タイトルの語感はよいけど、パリピと三国志の孔明?と思っていましたが、『パリピ孔明』をアニメを見るにつれ、そこに親和性があるように感じられました。
本作は初めに書いた今季の音楽アニメの一作品です。(ちなみにもう一作品は『ヒーラーガール』です。こちらもかなりよかったので、ぜひ見てみてください。)
歌を諦めようとしていた英子の元に、風変わりな格好をして、自らを諸葛孔明と名乗る人物が現れる。彼は英子の歌声に魅了され、彼女の軍師になることを買って出る。英子は孔明の力強い肯定を受けて、歌で夢を追う覚悟を決める。
『パリピ孔明』は音楽と三国志というかけ離れたものを繋げています。しかし、啓発本などで中国の古典が引かれてりと、目的を達成するための戦略に三国志は役立つと言えます。孔明は軍師の名にふさわしい活躍で、英子が成功するための、道筋を作り出しています。
それに応えるのが、英子の歌唱です。聴く者の心を一瞬で掴んでしまう英子の英子の歌声。彼女自身の自信のなさとプロデュースが欠けていたことから、彼女の才能は埋めれてしまっていました。しかし、孔明と出会い、彼が準備した過酷だが、着実な道を彼女は進んでいきます。
英子が輝く舞台を用意する孔明。そして、孔明が準備した舞台で孔明の心さえ掴んでしまう歌を披露する英子。二人の最高の主君・軍師の関係と言っても差し支えないでしょう。
4. 可愛いだけじゃない式守さん
式守さんだけじゃない「式守さん」と恋人で不幸体質の和泉くん二人のラブコメ作品です。タイトルにあるように、式守さんはかわいいだけじゃない!不幸体質な和泉くんは街に出れば、空き缶が飛んできたり、歩けば靴紐がほどけたり、普通ではありえない不幸が起きてしまいます。そんな不幸から式守さんが、和泉くんを守る。そのときの式守さんの助け方、また仕草、セリフ、顔がかっこいい。
だが、この作品は、タイトルを借りるなら、「式守さんだけじゃない」。式守さんと付き合っている和泉くんにも要注目。彼を守る式守さんが王子様で、式守さんに守られ、不幸体質でもいつもにこにこして、日々を過ごしている和泉くんは屈託のないヒロインのように見えます。式守さんは、可愛いだけじゃない式守さんだが、逆にかっこいいだけでもない。和泉くんのことをいつでも考えて、彼の優しさに顔を赤らめて照れてしまう可愛さもあるし、逆に、和泉くんもいつも守られているが、いざというときには、勢いからでも式守さんの前に立ったり、彼女をときめかせるセリフを言ったりと優しくてかっこいい側面もあります。
もちろん二人が主要登場人物であるから、二人に注目してしまうが、二人のクラスメイト達と彼らの関係も見どころであるし、彼らから見た二人の像は、視聴者と同じ視点に立っており、肩を並べて、二人の関係性をニヤニヤしながら見ることができる。
3. であいもん
京都の和菓子屋を舞台に、登場人物たちが面白可笑しく過ごす作品となっています。ですが、その根底には、暗さと重さが横たわっています。本作の主要人物の一人、一果は九歳の頃に父親に捨てられ、和菓子屋「緑松(りょくしょう)」に居候の形で暮らしています。もう一人の主人公である和はバンドを志し、上京するも、父親の入院を聞きつけ、後継ぎとして緑松に戻ってくる。そんな二人を中心とした、心温まる物語に仕上がっている。
そのような温かさの一つには、淡いながらも、和菓子の色彩を消し去らないように調整された背景の存在です。彩度の高いビビッドな色は避けられ、色鉛筆で塗ったような淡い印象を作り出しています。カラフルだが、目と心に優しい色彩を生み出しています。
もう一つは、登場人物たちが話す方言には、和や一果を温かに包み込む包容力を可視化するようでした。もちろん標準語や京都弁以外にはそのような効果がないわけではありません。方言で登場人物たちが語りあう姿には、京都だから京都弁というリアリティもありながら、その土地ごとに持っている空気感を私たちは感じる取ることができます。そういう意味で、京都の土地で暮らす人々に息吹くやさしさの感情が方言からにじみ出ているのではないでしょうか。
ぜひ温かな人間ドラマを堪能して、また、アニメーションで優美に描かれた和菓子を目で楽しんでみてはどうでしょうか。
5. おにぱん
テレビ番組『おはスタ』内で、放送されていました。テレビ番組内で放送されるだけでしたが、テレビ番組を構成する一要素に留まらないクオリティの作品になっていました。
鬼が人間に暮らすのも普通になった時代。鬼の進出が進んできたものの、鬼たちは、過去の悪いイメージが払しょくできていない。つつじ、ひまわり、つゆくさの三人は鬼のイメージアップを目指して、人間界で奮闘する様子が描かれる。
作画に定評のあるWIT STUDIOが制作を担当しています。アクションシーンは見どころになっています。3DCGを利用して、広い範囲で動き回る様子縦横無尽にその動きを追うカメラのも刺激的でした。特に一話・十二話の追いかけっこシーンや七話のアクションは必見です。
また、シンプルでストレートな物語も物語も入り込みやすい。
以上、おすすめ五選でした。気になるものがあれば、ぜひ追いかけ視聴してみてください。また、七月から夏アニメが放送開始しているので、そちらも必見です。
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