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【救急疾患を知ろう】 熱中症

どうもみなさん、救急医のかたかたです🚑
日々活用できる救急を主にした医学知識を提供しています👊🏻

お久しぶりです、と言わないといけないような投稿間隔となってしまいました。
いろいろとあったのですが、投稿を再度やっていこうと意気込んでいます🙏🏻
フォロワーもほとんど減ることなく、フォローし続けてくださった方々にはとても感謝しております。
それではやっていきます!

今回は、熱中症です。
皆さんは当然ご存知のものでしょう。
内容の一部は当たり前かもしれませんが、基本的なことから対応処置に関してまで記載しております。
一緒に勉強していきましょう!

まとめ

熱中症は誰でもなるが、高齢者や肥満、糖尿病などの基礎疾患がある方はリスクとなる。熱中症を疑ったらまずは意識を確認し、体を冷やし、都度状況の変化がないかを確認し、意識が悪かったり体を冷やしても改善がない時は救急車や受診を!


熱中症って?

説明するまでもないかもしれませんが…。
熱中症とは暑さによって体に異変が起きることを言います。
労働・作業・運動などに伴うものを労作性熱中症、それ以外のものを非労作性熱中症や古典的熱中症と言います。
古典的熱中症は簡単にいうと、暑い部屋でエアコンもつけずに過ごしていたら気分が悪くなったなどが典型的な例です。

日本ではその症状の重症さに応じてレベル分けされており、1〜3度に区分されています。(そろそろ4度も追加されそうです)
1度が軽症、2度が軽症ではない、3度が重症といったもので、この分類自体は皆さんがあまり意識する必要はありませんが、2度以上は意識の状態が良くない人が区分されることは知っていてください。
3度になると熱によって全身臓器に支障がきたし、場合によっては死に至る可能性があります。
日本では年間1000人程度が死亡しているようです。


どういう人がなりやすいのか?

熱中症自体は誰でもなるのですが、なりやすい人つまりリスクを持つ人がいます。
具体的には以下です。

  • 高齢者

  • 小児

  • 肥満

  • スポーツ選手

  • 野外での肉体労働者

  • 心臓の持病あり

  • 糖尿病

  • 血圧を下げる薬やむくみ取りの薬(利尿薬)、精神科の薬を飲んでいる など

また、完全には定義されてませんが皆さんにも感覚的に納得しそうなリスクもあります。
それは暑さに対する順応ができるかどうかです。
具体的には普段から暑いところで過ごす人と比べて、常に涼しいところで過ごす人の方が、暑い場所で過ごすことになった場合に熱中症になりやすいということです。
なので、たまにしか出かけないといった人は要注意でしょう。
逆に暑熱順化といって、熱中症にならないためにも普段から無理のない範囲で暑さになれておくことも効果的かもしれません。(まだエビデンスはなさそう)


熱中症かな?と思ったら

では、自分自身というより、誰かを見て熱中症かもしれない!と思った時にどういったことをずれば良いのか。
いや、冷やすだけっしょ!当たり前じゃん!と思うでしょうか。
なぜこれを説明するかというと、過去に熱中症と思っていたら結果として頭の病気で死亡したといったエピソードがあったからです。
つまりなんでも暑さから避ける、冷やすだけを考えていると、落とし穴にハマる可能性があるわけです。
冷やし方ですが、涼しいところに移動、手のひらや足の裏を冷やす、扇風機を当てたり冷たい水をかけたりするなどが挙げられます。

以下のフローチャートをご覧ください。
こちらを見て対応がくださると、そういったことを極力避けることができると思います。

https://journals.sagepub.com/doi/full/10.1177/10806032241227924
 Figure 1を参考に編集

大事なことは、熱中症が疑われたときに意識が大丈夫か、具体的には普通の会話ができるかどうかです。
(ここはどこで、今日は何日で、話をしている人が誰なのかを理解しているか)

できなければその時点で救急車レベルとなり、体温によって重症熱中症かそれ以外の別の病気かが疑われます。いずれにしても現場で対応できるレベルを超えている可能性があります。ただ、救急車を呼びながら体を冷やす対応はなされても大きな問題はないと思います。
少し難しいのが、熱失神といって一時的に意識を失ってしまうものもあります。結果として重症ではないですが、難しいためわからなければ病院へ来られたほうが良いです。

会話ができるならば熱中症を考えますが、体を冷やすような対応をしてもそれで終わりではなくて、5〜15分で評価をし直すということが重要です。
つまりは、冷やす対応をしても良くなっていなければ別の病気の可能性もあり、受診が必要となるかもしれないです。
対応したら終わりではなく、それが正しい結果になっている(状態が良くなってる)かは都度評価してください。
これは非常に重要な点です!

みなさんのひとつひとつの対応が人の命を救うことになると思ってください。
この記事を読まれた方がすこしでも頭の片隅にこのことを理解し、対応されることを切に願っております。


今回は久しぶりの投稿となりましたが、最後まで閲覧いただきありがとうございます。
これから不定期ですが再開していきますので、ぜひぜひご覧ください!
また、いつもスキやコメントをいただきとても嬉しいです!
それではお疲れ様でした!


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