
【救急疾患を知ろう】 熱性けいれん ③対応 他
熱性けいれんの定義は難しかったですね。
軽く知ってもらえるだけで十分です。
③は対応などです、やっと救急らしい内容ですね!
それではいきましょう!
熱性けいれん時の対応
①回復体位
まずはけいれんをしている子供を回復体位(みたいなもの)にしましょう。
要点としては、以下の2です。
身体を左向きにして寝かせる(頭がきつそうなら枕などをおいてあげる)
顎を少し上げる(上を向かせるような状態)
この体位の目的は、誤嚥による窒息(唾液などを誤って飲み込み、肺などの空気の通り道を塞ぐこと)を防ぐことです。
百聞は一見にしかずなのでつたないイラストをご確認ください😆

②救急車を呼ぶ
医師によって言うことは異なりますが、すぐに救急車を呼びましょう。
小児救急も最初から診ている救急医の1人として言っています。
自分で受診するのもよいです。
医師により言うことが異なる理由は、けいれんは5分待ちましょうという医師もいるからです。
けいれんの多くは5〜10分で自然消失することが多く、脳への影響が出てくるのは前の記事でも話した「重積」の場合で30分以上けいれんしている時です。
よって5分待ちましょうというのは学問的に妥当です。
しかし、親の精神的負担や、5分以上経ってもけいれんが治らなかったときのリスクを考慮すると、けいれんしたらすぐに救急車を呼んでいいと私は考えています。
「こんなことで呼んでもいいのかな…。」なんて思われるかもしれませんが、大丈夫です、相当な数が搬送されています。こんなことで呼ぶなよなんて言う医療従事者はいません。いたら私は悲しいです😭
例外として、119番して早くにけいれんがなくなり、救急車到着までにある程度疎通が取れる状態まで回復したなら、キャンセルしてご自身で受診をすることを考えられてもよいです。
これは少し極論ではありますが可能です。
様々な対応をされている救急救命士、救急隊員の方々、いつもありがとうございます。
③証拠を残す
スマホなどでムービーを撮ることで、けいれんの状態を確認します。
状況的に難しいので余裕がある方のみで良いと思います。
熱性けいれんになったら気にかけておくこと
①内服薬(治療薬)
解熱薬
解熱剤自体に熱性けいれんを予防する効果はありませんが、いつも通り使用してもらってOKです!抗けいれん薬坐薬
ダイアップ(ジアゼパム)坐薬といい、けいれんを過去に起こした子どもに処方されていることがあります。熱発時に使用してください。
けいれん直後の使用だと、その後の診察が困難になる可能性があるため、受診される場合は使用せずでも問題ありません。抗ヒスタミン剤
鼻水などに対して使われる薬剤ですが、ものによってはけいれん長引かせてしまうため、けいれんした後や過去にけいれんしたことがある場合は使用は控えた方が良いです。お薬手帳などで調べておきましょう!喘息治療薬
テオフィリン(キサンチン)の薬も同様でけいれんを長引かせてしまうといった報告があります。すでに飲まれている方は医師に相談しましょう。
②予防接種
熱性けいれんになったあとに予防接種が控えていたら大丈夫かと気になる方もいるでしょう。
結論から言うと現行の予防接種はすべて問題ありません。また、熱性けいれんの診断であれば、体調に留意すれば最終発作からの期間によらず接種可能です。
③今後のてんかん発症頻度
熱性けいれんの既往を有する児が、のちに誘因のない無熱性発作を 2 回以上繰り返す、 すなわち、熱性けいれん後てんかんの発症率は2.0〜7.5%程度であり、一般人口におけるてんかん発症率(0.5〜1%)に比し高い。
けいれんがなかった子どもに比べると、発症率は高いです。
しかし、それでも9割は発症しないことを理解しておいてください。
また、熱性けいれん後のてんかんを起こしやすいと言われているものが5つあります。
発達異常
てんかんの家族歴
複雑型熱性けいれん
発熱後短時間での発症
3歳以降の熱性けいれん発症
1〜3は1項目満たすと2%、2〜3項目満たすと10%発症しやすくなります。
また、4と5はそれぞれ2倍、3倍発症しやすいといわれています。
繰り返しですが、いずれもほとんどの場合で、てんかんを発症しないことは理解していてください。
以上で熱性けいれんの記事が終了です。長い文章で疲れましたね!
全部見なくても目次で機になる点を見るのもありです!
また、熱性けいれんは救急でどんなことをしているのか気になる方はコメントください。
おつかれさまでした〜