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【救急疾患を知ろう】 熱性けいれん ②定義
みなさま「熱性けいれん①」はいかがでしたでしょうか?
ご不明な点があれば、いつでもコメントください。
そして今回は熱性痙攣の定義についてです。
難しいのでさらっと読んでください!さっそくいきましょう!
熱性けいれんの定義
おもに生後満6ヶ月から満60ヶ月までの乳幼児期に起こる、通常は38°C以上の発熱に伴う発作性疾患(けいれん性,非けいれん性を含む)で、髄膜炎などの中枢神経感染症、代謝異常、その他の明らかな発作の原因がみられないもので、てんかんの既往のあるものは除外される。
ちょっと難しいですね。要点としては、
「脳などへの感染や、生まれつき不純物が溜まりやすい・栄養が蓄えられない、持病にてんかんがあるといった子どもは熱性けいれんの診断にはなりません。」
つまり、「発熱+けいれんする かつ/または 様子がおかしい」だけでは熱性けいれんかどうか、わからないということです。
でも、ワクチンにより脳への感染のリスクが大幅に減少し、生まれつきの持病(先天性疾患)自体が稀です。また、家族にてんかんを持病を持つ人がいない場合、有熱時ではすぐにてんかんと診断されることは難しいです。
つまり、ほとんどの場合、熱性けいれんだと思っても問題ありません。
ただ、確率は低くても脳への感染症やてんかんなどの可能性もあることは覚えておいてください。
続いては、痙攣の種類を説明します!これまたむずかしいですが、興味があれば何回か読んでみてください!
熱性けいれんの種類
単純型熱性けいれん
次項の複雑型熱性けいれんとなる条件を満たさないものをいいます。
熱性けいれんは、けいれんと名付けられていますが、必ずしも身体のけいれんがあるわけではありません。
この単純型の場合は、全例で左右両側の腕や脚のけいれんを伴います。
基本的に良性でほとんど問題なく経過します。
複雑型熱性けいれん
以下の3要素を1つ以上もつもの
1. 焦点発作(部分発作)
2. 15分以上持続する発作
3. 同一発熱機会の、通常は24時間以内に複数回反復するもの
2と3はわかりやすいですね。
1の焦点発作(部分発作)ってなんやねん、って感じですよね。
ざっくりいうと、「部分的なけいれん」と「けいれんを伴わないもの」があります。
「部分的なけいれん」とは、身体の一部分だけがけいれんすることです。
例えば、右腕だけや、左半身だけ。
また、目が上転(上を向いて目線が合わない)ではなく両目とも左右のどちらかを向いているもの(偏視)も該当します。
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「けいれんを伴わないもの」は、けいれんはないけど普段の意思疎通ができなくなります。
例えば、熱がある子供が急にぼんやりとなり、数分間会話や反応がない状態になります。また、一点をじっと見つめ続けるような場合もあります。
以上が複雑型ですが、基本的には入院するパターンが多いと思われます。
複雑型=悪いというわけではありませんが、原則は他の病気(脳の感染症、てんかんなど)を除外してから診断されるので、(入院して)様子を見る必要がでてきます。施設によっては方針が違うので一意見としてご承知おきください。
そして、複雑型の診断であれば経過自体は良いですが、てんかんや発達障害のリスクは単純型よりは高くなります。ただし、全例がそうではありません。詳しくは次の記事で説明します。
(補足) 繰り返すけいれんの定義
けいれんは同一エピソードで複数回繰り返すこともあり、
「群発(ぐんぱつ)」と「重積(じゅうせき)」との2つがあります。
用語として軽く知る程度でいいと思います。一般的に「重積」は良くないけいれんです。
群発
複数回けいれんし、けいれんとけいれんとの間に意識がいつも通りに回復するもの重積
複数回けいれんし、けいれんとけいれんとの間も意識が回復しないものや、けいれん自体が30分以上続くもの
以上が定義です。
ボリューミーでしたね、お疲れ様でした。
次は対応やその後についての説明です。