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【救急疾患を知ろう】 やけど 対応、治療編

救急医のかたかたです🚑
日々活用できる、知ってて自慢できる救急の知識を提供しています👊🏻

今回の内容はやけどの「対応、治療」です。
前回の記事と合わせて一つにまとめたかったのですが、量が多いため二つに分けて説明するようにしました。
本記事はむしろ、やけどで一番伝えたい・勉強できる部分だと思っています。
それではいきましょう!!

都度、ソースを記載すべきですが、私の記事は主に日本のガイドラインや信頼性の高い医療情報のオンライン辞書的な「UpToDate®」というサイトを参考にしています。


対応、治療

正しい対応

病院外での対応は、やけどの深さや範囲にかかわらず、基本的には同じです。
それは、「流水でやけど部位を冷やすこと」です。
ここでいう流水とは、水道水を絶えず流し続けることを指します。

ただし、前記事にあるように10%以上のⅡ度やけどがある場合は流水処置をしつつ救急車を迷わず呼んでください。(※)
※これは10歳〜50歳の人の場合(この記事を読んでいる多くの世代)のため、それ以外の人(5歳未満のこども、51歳以上の大人)は5%以上が危険水域です

ここで注意してほしい点が二つあります。
まず一つは、氷水やキンキンに冷やした水につけないこと。もう一つは流水につける時間が短すぎるもしくは長すぎることはともにNGということです。

NG例 ①冷たいもので冷やす

やけどは熱いものに触れて生じるため、冷やそうという意識が強すぎて氷や氷水などのキンキンに冷えたもので冷やしてくる人がいます。
これはNGで、その理由は痛みの増加とやけどの悪化のリスクにあります。
最初は痛みが和らぎますが、そのうち冷たすぎて痛くなってきます。それなのに冷やさないと!と思い、痛みに耐えながら冷やされますが、辛いだけで意味はありません。
また、氷水などの冷たすぎるものはやけどをさらに悪くしてしまう可能性があります。

NG例 ②冷やす時間が短すぎるor長すぎる

流水で冷やすのはわかった、短すぎるのは意味がないのは想像がつく、でも長いとなぜダメなのか?
そもそも冷やす意味には二つあり、一つは痛みの軽減、もう一つは熱を冷ますことでやけどの悪化を少なくすることです。
長い時間プールに入っていたら皮膚がふやけてしまいますよね。つまり長すぎると皮膚がしんなりとしてしまい、皮膚の治癒を妨げたりやけどが悪化するリスクがあります。
じゃあどれくらいが理想なんじゃ!って思われますよね。
度(皮膚が赤いだけ)の場合は5分程度、Ⅱ度以上の場合は15分は必要で、30分以上は病院外での冷却は控えましょう。
30分も冷やしてられない、一刻も早く受診したい!と言った方は多少流水処置したのちに濡らしたタオルやガーゼでやけど部位を覆いながら来院してください!
これも有効です!

こんなスポーティにではなくて、畳んで置いておくのでOK!

対応まとめ

水道水による流水で5分程度or15分〜30分の冷却を行う
余裕があれば濡れたタオルやガーゼで覆いながら受診。
氷水などの過度な冷却水の使用は禁止。

治療

重症度の高いやけどをここでつらつら述べてもあまり意味がないと思うので、軽症や中等症の治療を軽く説明しておきます。

原則は、皮膚を乾燥させないことです。
よって保湿系の軟膏(ワセリン、抗生剤入り軟膏、ステロイドなど)を塗布し、ガーゼなどで保護します。
軽症なら軟膏のみの場合も多く、中等症以上は毎日ガーゼ交換しなければいけないこともあります。
皮膚移植(自分の皮膚や人工の皮膚)を行うこともあります。


最後まで閲覧いただきありがとうございます。
やけどのついての知識は少しは深まりましたか?
内容は少し濃すぎたかもしれません、何かご意見あれば参考にしたいと思っています!

いつもスキやコメントをいただきありがとうございます!
おかげでもっと良い記事を書けるかもしれません🧐
それではお疲れ様でした!

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