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#002 ほんものに触れる

小さな頃から、母は、美術館や音楽会に連れて行ってくれた。
世界的に貴重な展覧会だといえば、東京の国立美術館なんかの行列をなして観るような展覧会にも行かせてくれた。

本物に触れることの価値はお金に替えられない体験だ、とか言っていたこともあった。自分の耳で目で触れる本物の素晴らしい世界をたくさん見せてくれた。

母は、何十年も前の観に行った展覧会やコンサートのチケットを全てファイリングしていて、たまに思い返したように眺めては、その時の感動を思い出している。私も一緒に行った展覧会やコンサートは、そのチケットを観るだけで、館内の匂いや、その時着ていた服の柄や、観終わったあとの会話や、その日の夜の食事なんかが思い出されて、なんともいえない嬉しさに心がいっぱいになる。

画集で観ていたピカソの、本物の作品を初めて観た時、自分が立っているその絵の前にいつかピカソもいたかと思うと、時空を超えて本物と出会えた気がして、なんだかとても感動して、本物の作品に触れることの豊さや意味をなんとなく知った。

その感動は、きっと絨毯も同じで、一枚でしかないその一枚の絨毯の前には間違いなく織ってくれた人がいた。その人には会えないけど、確かに一枚のGOSHIMA絨毯の前にはたくさんの人がいて、その果てに自分の暮らしにやってくる。

人間の手だから伝わる本物にある感動。

明日はオーダールームの日。
オーダールームでは、私がこれまでに与えてもらった目には見えない財産を、絨毯を通して誰かの喜びになるように伝え届けることができたらいいなと思う。

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見出しの写真は、GOSHIMA絨毯/百花万華(ひゃっかばんか)のニロアカスエボリューション。

デザインの意味はこちらのブログからどうぞ
https://goshima.blog/2019/11/27/%e4%b8%96%e7%95%8c%e3%81%b8/


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