カウントダウンによる誘導を考える
"Eye Fixization" と並びオーソドックスな誘導手順として使われるカウントダウン。これがどのようにして機能しているかの考察です。
正式な名称(がまずあるのか)を知らないので勝手に『カウントダウン』と名付けていますが、よく見かける「10から逆に数えていきます」系統の方法ですね。一応、逆にカウントアップで、1から数字を大きくしていく手法もあるため、まとめて『カウント系』と呼んでも良いかも知れません。
(※ これだとイカサマ用語の "カウンティング / Counting" と被る問題が…)
で、このカウント系は「こうすればできます」とか「態度が適切ならできます」みたいな手順の説明はあっても、何故そうなるのかまでの解説はあまり見かけません。
内容そのものは以前に出した記事でもチラッと触れていることなので、改めてとなります。
なお、私自身はカウントダウンは滅多にやりません。
流石にクライアントから THE 催眠術 みたいなのを求められている時はやりますが、メンタリズムのパフォーマンスとしてやるには長過ぎるため、もっと手軽な手法を使います。
同じ理由で冒頭でも名前の挙がった "Eye Fixisation" もやる機会は少なめです。
ちなみに、"Eye Fixisation" については、みんな大好き催眠理論について最も基本的で網羅的な書籍である "The Oxford Handbook of Hypnosis" で手順が紹介されているほぼ唯一の誘導方法であるため、これを知らないとモグリだと思われる可能性があります(嘘)
この書籍自体は出版が2007年と既に古いため、現在ではそこまで優先度は高いとは言えませんが、マジック界における 『ターベルコース・イン・マジック』、メンタリズム界における "Encyclopedia Mentalism & Mentalists" (旧題: 13 Steps to Mentalism) くらいの立ち位置にあたります。
過去の実験や学説についての分析があり、催眠界隈でも未だに信じている人がいる古い理論を「動物磁気説と同程度」みたいな感じで割と容赦なく切り捨てていたりと、理論を体系的に把握するのに使えます。
閑話休題
カウントダウンの利点
THE 催眠術 感がある
催眠現象の起こりやすい構造になっている
実はトリックが使われている
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