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【メンタリズム裏レビュー】 No.003
月1回は書いている気がする裏レビューです。
今回裏レビューするのは、コールド・リーディング関連のレクチャー・ノートになります。
「コールド・リーディングはすでに古い」とか「(本番行為の無い)前戯のようなものだ」とか、今までのコールド・リーディングの手法ではズバッと充てることが出来ないフラストレーションのようなものをディスりを含め冒頭に書かれているレクチャーでした。
ディスってはいますが、これも内容的にはコールド・リーディングの一種なんですけどね!\(^o^)/
感想
先に大雑把な感想を言ってまいます。
ここで紹介されているコールド・リーディングの手法は「心理学」と非常に相性が悪いです。
最近ツイッターでもつぶやいていますが…
現象が起こる理由に「心理学」を使う場合、心理学で起こせる以上の奇跡を演出できない問題がある。
— Trick or Mind (管理人とBOT) (@trickormind) March 25, 2020
心理学的なアプローチをしている場合、傾向や過去の出来事などはボンヤリ当てることが可能ですが、人の名前や具体的なエピソードをピンポイントで当てることは心理学の域を超えているわけです。
ピンポイントで当てにいった方が相手からの印象はより強くなるものの、「心理学」と言ってしまうとそれが行えないというジレンマが存在していしまいます。つまり、このレクチャーは「心理学」を演出の核にしているメンタリストには全く向いていません。
更に言うと、レクチャー内でもミディアム(タロットや手相など)の解説から始まりますし、演者のことも"Reader"或いは"Psychic"(超能力者)という単語で表現することもあるため、科学的な演出とは相性が非常に悪いです。
なお、著者的には自身のシステムとコールド・リーディング・システムを分けている、別物であるかのような言い回しをしていますが、基本的にはコールド・リーディングの派生(或いは改案)みたいな内容ですし、そっち系の話のほうが圧倒的に大部分を占めています。
メリット
・タロット、手相、ルーン占いの基礎が分かる
・ピーター・ターナーの注釈が良い
・コールド・リーディングで行き詰まったときのアウトとして超優秀
・ホットリーディングではない
・ストック・スピールの例が具体的
・世代別の傾向が比較的新しい情報としてまとまっている
このレクチャー、本編が最後の方にちょろっと考案者の考えたシステムが載っているだけで、最初の2/3くらいはタロット・リーディング、パーミストリー(手相占い)、ルーンを使ったリーディングの解説になっています。
全体的に勉強したことのある人にとっては非常に簡素な内容となっていますが、パーミストリーとルーンについては全くの初心者なのでこれあれば十分かなという内容でした。
著者のシステムはコールド・リーディングで行き詰まったり、思いっきり外した際に上手い逃げ道(アウト)として使えます。というより、この手法があるからこそ、大胆にリーディングができると言っても過言ではありません。
巻末付録的な感じで、THE SCAMに合わせたストック・スピールや世代別の傾向についての情報がまとめられています。(THE SCAMは人間の関心事7つの頭文字を繋げた略語)
ピーター・ターナーの注釈はかなり参考になります。そして「オレはこれ使わないけど、こうした方が良いんじゃね?」みたいなノリも多くあります(゚∀゚)
デメリット
・メンタリスト的手法であること
・システムを乱発できないこと
・スピールが日本語で使えないものがあること
・統計情報が海外のものであること
・注釈が無いと価値がかなり落ちる
まず、ピンポイントで当てられるのは間違いありませんが、非常にメンタリスト的です。
ここで言うメンタリストは心霊商法詐欺師という本来の意味で、かなりズルい方法が使われています(海外ドラマ『メンタリスト』をご覧になった人であれば伝わりやすいかもしれませんが、詐欺師時代の主人公パトリック・ジェーンみたいなのが本来メンタリストと呼ばれている人たちです)
最大の問題点はこのシステムは乱発できません。繰り返して使うと効果が激減するどころか信用を全く失う恐れがあります。基本的に1度のセッションで使えて3回まで、可能であれば1,2回に押さえたほうが良いという話が出てきます。
システムにも一応スピールが存在しますが、バーナム・ステートメントの応用みたいなものも多くありますし、何より日本語で同じ表現が使えません。そんなに便利な英単語があったのか…と感心したくらいです。
巻末の統計情報も基本的には英語圏のものですし、日本人にそのまま当てはまるかはなんとも言えない問題があります(というか、"NEW PASSAGE"を参考にしている気がしますね)
ピーター・ターナーの注釈は素晴らしいのですが、逆に言うと、それが無いと割と雑な内容です。バーナム・ステートメントをそのまま使ったようなスピールも結構含まれており、注釈で「これは直接的過ぎる」とか「オレは使わない」とか普通に言われるくらいなんですよね…
それ、なんてレクチャー?
ここまで感想やらで引っ張ってきましたが、最後にレクチャーのタイトルを言って締めようと思っています。
正直そこまで読む必要もないと思いますし、内容的にはコールド・リーディングの基礎がある人向けで、最初に書いたように「心理学」をベースとしないリーダー向けです。いわゆるスピリチュアリズムやオカルティズムが似合うタイプの中級者と言う割とニッチなそうになっています。
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