中途半端な生きもの【詩の練習帳 11】

人里と山の境界線

地面はコンクリートで
覆われてるけど
その下で確実に
木の根っこが
手招きしてる

またあるときは
木の根っこが
あっちへ行けと
手を払う

車はそんなのお構いなしに
ゴムのタイヤで
踏んづけてゆく

山の空気も感じずに
冷房をつけて
排気ガスを垂れ流す!

山を歩くと
野生に潜む生き物よりも
車の方が恐ろしい!

側溝近くの白線を征く
ぼくは中途半端な生きもの

車にも、野生にすらも
なれやしない

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