思念波の暗号

少年は聳え立つ壁に
手をついて
扉を願いの力で
こじ開けてみようと試みた
途中まで開きそうになったが
途端に光の線は
消えてしまった
その光が消える前に
一瞬だけ
何かの文字のようなものが
石壁の至る所に
浮かび上がった
どうやら扉を開くには
パスワードが必要のようだ
思念波の暗号で
ロックされている扉らしい
幾つか拾った火吹き岩の
破片の一粒ずつを
よくよく確認して
再度願いの力を加えると
石壁に浮かんだ文字と
似たような文字が
浮かび上がって来た
一先ず視えた文字を
石壁に打ち込んでみると
最も簡単に空いてしまった
こんな簡単な防御壁で
良いのだろうか
少年は面食らいながら
注意深くなかへ入っていった

◆ 戦利品 ─【敵のアジトへの入り口】

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