ダイヤモンドは挫けない【Miracle Fanta詩 Ⅱ 285】
壁にめり込んでから
どれだけの時が経ったのだろう
岩肌の少年もとい
ダイヤモンドの少年は
ようやく意識を取り戻して
立ち上がった
辺りを見回しても
石薔薇の魔女と邪炭素の集合体の姿は
どこにもなかった
しかしながら
体力的には満身創痍ではあったものの
傷ひとつついていなかった
恐らく慣れない身体で
心身ともについていけていないのだろう
身体は鉛のように重たかったが
なんとか歩けはした
イースターを呼んだが
もちろん返事は返って来ない
彼の呼びかけは
虚空へ吸い込まれて行った
たった一人で行動するのは
ライスワイフたちと出会った頃以来だと
不意に思い出して懐かしくなった
沼のように沈む足元を
なけなしの体力で踏ん張りながら
アストンは
ライスワイフたちの元へと歩を進めた
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