飛び散る爆発 【地底帝国の詩 113】
ヤマトは勾玉光輪に心理気を流し込み
その光で作った風船を操っていた
何やらなかには液体のようなものが入っている
ギロチヨも同様に不格好ながらも
自身の勾玉光輪で同じように風船を作っていた
エレベーターの扉が開くと
歩く包丁たちが一斉に動き出した
その瞬間を待っていたとばかりに
ヤマトとギロチヨは風船爆弾を思いっきり飛ばした
歩く包丁たちが部屋の四隅から飛ばした刃のブーメランが
真ん中らへんに浮遊した風船爆弾に向かって来た
今だ!
── 公社の研究員、アサツキ
ヤマトが思念でエレベーターの扉を閉めると
「バシャア!」
と爆発音とも言えない軽快な音が外へ響き渡っていた
ヤマトはゆっくりエレベーターの扉を開けると
外は濃い水蒸気に包まれていて、目がピリピリ痛んだ
114へつづく
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