いつかの記憶 Ⅲ
夜空を漂う星のように
岩肌の少年は何処とも検討のつかない場所を
ただ彷徨っていた
ひとしきり彷徨うと
彼の目の前には
不気味な岩肌をした
ロボットのようなものが現れた
目は窪んでおり
動き出す気配は微塵も感じられなかった
岩肌の少年は
自分がもう一人居ると思ったが
手のひらを見ると
人間の手のひらだった
顔をぺたぺた触りながら横を振り向くと
自らの姿が映し出されていた
その姿はまさしく
先ほど横たわっていた少年そのものだった
すると突然
目の前の岩肌のロボットが動き出し
アストンの襟首を掴んだ
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