いつかの記憶 Ⅲ

夜空を漂う星のように
岩肌の少年イワモトは何処とも検討のつかない場所を
ただ彷徨っていた

ひとしきり彷徨うと
彼の目の前には
不気味な岩肌をした
ロボットのようなものが現れた

目は窪んでおり
動き出す気配は微塵も感じられなかった

岩肌の少年イワモト
自分がもう一人居ると思ったが
手のひらを見ると
人間の手のひらだった

顔をぺたぺた触りながら横を振り向くと
自らの姿が映し出されていた

その姿はまさしく
先ほど横たわっていた少年そのものだった


「…僕が…アストン…?」
── 岩肌の少年、イワモト


すると突然
目の前の岩肌のロボットが動き出し
アストンの襟首を掴んだ


「オ前ノ魂ヲ、私ニ寄越セ…!!」
── 岩肌のロボット



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