必殺!百人意思斬り【Miracle Fanta詩 Ⅱ 297】
アストンの言葉を聞いて
ミナミは怒りが込み上げて来た
彼女がここまで怒りを露わにするのは
不自然なことではない
ヤスメヤセンという街は
彼女が生まれて
この歳まで育った街なのだから
それに彼女の両親だって…
アストンが話終わる前に
ミナミはもうすでに早歩きで
何処かへ向かっていた
ズンズン歩くその先には
スノーマンズ兵が待ち構えていた
ミナミは樹皮鎧を展開して
目の前に立ち塞がるスノーマンズ兵たちを
バッサバッサと斬り倒して行った
斬り口は確認出来ず
ただ倒れているだけのように見えたが
あれは恐らく
生きる意思を斬っていたに違いない
倒れたスノーマンズ兵たちは
微動だにしなかった
まるで未開地を切り拓くかのように
樹皮鎧を纏った騎士は
当てもなく歩き続けた
彼女の見たことのない姿に
雑草魂の魔法使いたちの一同は
唖然としていた
船団の名前を冠した
雑草魂の短剣は今
怪しい黒いモヤを纏って
鈍く光り輝いていた
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