必殺!百人意思斬り【Miracle Fanta詩 Ⅱ 297】

「そんなこと…させない」

── 短剣使い、ミナミ


アストンの言葉を聞いて
ミナミは怒りが込み上げて来た


「なんで…なんでなんの罪もない人たちを殺そうとするの?
魔女狩りなんて…大昔の話なのに!
現代の人々には関係ないじゃない!
昔の人々に恨みがあるなら、墓荒らしでもして頭蓋骨を砕いてまわれば良いじゃない!
そんなの…自分勝手過ぎる…!」

── ミナミ


彼女がここまで怒りを露わにするのは
不自然なことではない
ヤスメヤセンという街は
彼女が生まれて
この歳まで育った街なのだから
それに彼女の両親だって…


「ミナミ…気持ちは分かるけど、今は冷静になるべきだ…」

── ダイヤモンドの少年、アストン


アストンが話終わる前に
ミナミはもうすでに早歩きで
何処かへ向かっていた

ズンズン歩くその先には
スノーマンズ兵が待ち構えていた

ミナミは樹皮鎧を展開して
目の前に立ち塞がるスノーマンズ兵たちを
バッサバッサと斬り倒して行った

斬り口は確認出来ず
ただ倒れているだけのように見えたが
あれは恐らく
生きる意思を斬っていたに違いない
倒れたスノーマンズ兵たちは
微動だにしなかった

まるで未開地を切り拓くかのように
樹皮鎧を纏った騎士は
当てもなく歩き続けた

彼女の見たことのない姿に
雑草魂の魔法使いたちウィーザーズの一同は
唖然としていた
船団の名前を冠した
雑草魂の短剣は今
怪しい黒いモヤを纏って
鈍く光り輝いていた


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