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船上のショータイム - 第一幕 -
◆ 戦闘文面継続中 ◆
(現在膠着状態)
グライダーから降りて来た人物は
防護仮面を脱いだ
「ネヴァ…、生きていたのか…」
その人物はマダムネヴァだった
「そんなイヤな顔することないじゃない?
せっかく久しぶりに会えたんだから、嬉しがってもいいじゃない?♡」
「あんた…ネヴァなのか…?」
「ライスワイフ、あなたも居るのねぇ。懐かしいわぁ。あの頃を思い出すと吐き気がしてくるわ♡」
ミナミとホッキョクは
まるで状況が読めなかった
どうやらこの三人が
むかしの知り合いであることしか
推測することは出来なかった
「あのヒト、知り合いなの…?」
ミナミは恐る恐る
隣にいたライスワイフに聞いてみた
「あぁ…。やつもかつて賢者ドミニスリヤの弟子だったんだ…。アタイとホークジョウと同じくね…」
「そうなんですか?!
そういえばドミニスリヤさん、どこ行っちゃったんだろう…。元気だといいのだけど…」
ミナミは
ライスワイフとホークジョウの
師匠であるドミニスリヤと
一緒に旅をしたことがあった
賢者のその後の行方は
誰も知らないのである
"ナミ…、イス…フ"
ミナミとライスワイフは
一瞬どこかから
思念波を傍受した
しかしそれがどこからなのか
彼女たちは知る由もなかった
「ヨンゴウちゃ〜ん♡
こんなところにいたんでちゅねぇ〜?
任務をサボった上に、
敵に寝返っているなんて、なんて悪いコ♡
せっかくアタシが生み出したのに、親不孝なのね…。悲しいわ」
岩肌の少年の事実に
雑草魂の魔法使いたちの面々は
それぞれに混乱した
岩肌の少年自身も混乱していた
「ライスワイフ、やっぱりこいつ敵のスパイだったんじゃないの?
わたしはなんかイヤな予感がしたのよ」
「落ちつけミナミ!今は言い争いをしている場合じゃないんだよ!」
「お前なぁ、連れてくるヤツちゃんと見極めろよ!!」
「だぁあああ!!
どいつもこいつもうるせぇなあ!!
言い合いしてる場合じゃないんだ!!!」
船内は混乱を極めた
そのゴタゴタのなか
マダムネヴァは虚空を指差し言った
「あそこにあるのは何かしら?
中身はよおく見えないけれど…。
何か大事なものなのかしら♡」
「ちっ、“その瞳“にはなんでもお見通しかよ。だがしかし、渡すわけにはいかねぇなぁ」
マダムはニタリと不敵な笑みを浮かべると
瞬時にミナミの首に氷の刃を突き立てた
「この小娘の頭が宙を舞っても良いならば…、
渡してくれなくても良いんだけれど♡」
「くっ、汚いぞ…っ!!」
「ホークジョウ、わたしに構わないで!」
船内にビリビリと緊張が疾っていた
ホークジョウは目をつぶって
幻術を解くか迷っていた
「ホークジョウ!
早く幻術を解け!ミナミを殺す気か!」
ライスワイフの一言で
ホークジョウの迷いと幻術は解けた
こころ残りだが
短剣の入った木の赤子を
マダムネヴァへ引き渡した
「ありがとう、ホークジョウ…。
この恩はきっと忘れないわぁ♡」
マダムネヴァが
手にはめた手袋を
未確認飛翔体にかざすと
赤い稲妻をまとって突如暴れ始めた
☆【意思の短剣】は
【マダムネヴァ】の手に渡ってしまった…
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