痺れるエイヒレ号
バリバリバリバリ
プロペラとも
エンジン音とも異なる音で
ライスワイフの乗った
電磁気帯びたグライダーは
稲妻のように
空を縦横無尽に駆け回った
よう、少年たち!
ライスワイフは
雑草の髪の少年たちに向けて
あいさつをしたが
生憎
轟音が邪魔をして
聞き取ってもらえなかったようだ
マグマドグマの視界に
少年たちが入るや否や
その巨体を駆使して
彼らを踏み潰そうと
躍起になった
少年たちもそれに気がつき
全速力で駆けた
まずい、踏み潰される!
ライスワイフ、こっちの救援頼むよ!
少年がそう言い終わる前に
ライスワイフのグライダーは
マグマドグマの電波塔に向かって
プラズマ弾を撃ち込んだ
バチリと弾けた足元から
バランスを崩した電波塔の巨人は
ぐらり揺らめいたが
なんとかもう片方の脚で持ち直した
どうだ、痺れるエイヒレ号の威力は!
正座した後みたいに、動きづらいはずさ!
少年たちの近くを通ったこともあり
グライダーの名前だけ
少年たちには聞き取れたようだ
ものすごい名前だね…
うん…
雑草の髪の少年とザンパムは
高らかに笑うライスワイフを見上げて
亡きドミニスリヤのラボへと急いだ
◆ 戦利品 ─【プラズマの一撃】
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