時は戻せない
左目の映像が何周かした後
少年は決心した
ぼくたちはこの森も
飛空船も
元に戻さなければいけない
ぼくたちがやったことの始末は
ぼくたちがつけなければいけない
短剣の在処にはまだ程遠く
長い道のりにはなるが
遠回りしてでも
やらなければならないことが出来た
これまでなんとなく
夢で見たように進んできた
道のりだったが
ここでようやく少年は
自分たちの意思で
前へ進むと誓ったのだった
起きてしまった事実は
元には戻せない
進んでしまった時には
戻ることは出来ず
残像や残響のなかでしか
観察することは
出来ないのだから
◆ 戦利品 ─【決意】
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