真・ウィードの意思号
魔導炉室が光り輝いて
ホッキョクとドブナガのばら撒いた
遺跡から拝借した部品たちが共鳴した
部品のあれこれは
はじめこそ持ち運べるような大きさだったが
光を纏いながら
どこにそんな質量を秘めていたのかと
思うほどの大きさにまで
変形を繰り返しながら至った
最終的には
船の外壁になったり
翼の一部になったり
まるで生き物かと思うくらいに
柔軟な、かつ無機物的に
新たなウィードの意思号を模っていった
「……もしかしたら、ボクたちが拾い集めていた部品はガラクタなどではなく、すべて"オーパーツ"だったのかもしれない。
……この船の魔導炉《エンジン》…いや、この船自体も、きっとそうだ」
「かぁ〜、たまげたぜ。
オイラが整備してやろうと思ってたのに、必要無くなっちまったじゃねぇか。
大昔の船とは思っていたが、やっぱトンデモねぇもの、掘り起こしちまったかもなぁ」
ホッキョクの半開きの目が
珍しく少し大きく開いた
雑草魂の魔法使いたちと
石薔薇の魔女
そしてガニメデ小隊の残党のふたりは
完成したウィードの意思号の船内に居た
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