いつかの記憶 Ⅳ 【Miracle Fantasy Ⅱ 265】
岩肌のロボットの顔面は疎か
全身が真っ二つに割れ
なかからは配線のようなワイヤーが
無数に飛び出て来た
それらはアストンの身体を絡め取り
岩肌のロボットのなかへと
彼を引き込んだ
恐怖に慄くまま
アストンは岩肌のロボットのなかへと
引き摺り込まれていった
最後に見た光景は
自分の身体が不気味に浮き上がり
その瞳が真っ黒にぎらついている様子だった
アストンは目を覚ますと
目の前には元の自分の身体が
氷の棺桶から力なく飛び出して居た
「…こ…れは…僕……だっ…たん…だ…」
「宿主…、声ガ……?!」
「…?
今、あなたが喋ったの?」
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