死の意思斬り【Miracle Fanta詩 Ⅱ 294】
「あれ…?……うっがぁ…痛ってぇ!!」
「…ホッキョク…?」
「ホッキョク!!」
「…ホッキョク!!」
「?????」
処置を担当していたドブナガは
まったくもって何が起きているのか
さっぱり分からなかった
ずっと前髪のかかった目を
丸くしているだけだった
「雑草くん、何したの?」
「いやぁ、なんてゆうか、死の意思を斬り落としたってゆうか、彼の生の意思を尊重したというか、そんなところかなぁ」
何はともあれ
生と死の間際を彷徨ったホッキョクは
その戦いの結果でもある
真っ赤なツナギを纏って
再びこの物質世界へ舞い戻って来たのであった
◀︎ 前頁◀︎