稲妻の発生源

浮世の指揮者の
歌声は続く
青い眼のアイウェオは
湖畔の水を
小さな身体に
ひたすら吸い込んでいる
その身体のどこに
ありったけの量の水が
収まっているのか
誰もが理解出来なかった
あまりにも強烈な吸引に
稲妻船団の飛空船も
分厚い雲から
船体を露わにした
まるで海賊船が
三隻くらい合体したような
異様な見た目だった
所々に稲妻を放出するための
コイルが見受けられる
まだ頻りにそこから
稲妻が降り注いでいる
突然ぴたりと
嵐のような吸引が止み
あたりは
横たわった
首長竜の死体のように
この上ない静寂に包まれた

◆ 戦利品 ─【飛空船の外観】

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