暗がりの正体

少年の目の前には
あんぐり口を開いた
黒い何かが待ち受けていた
流石にびっくりして
すんでのところでそれを避けた
頭上をよく見ると
暗がりなどではなく
黒い何かがびっしりいるのだ
ザンパムは顔をしかめながら
ハイエナに襲われないよう
パーティーに注意喚起をした
やはり見た目は少年の知っている
それではなかった
どちらかというと
コウモリといえばいいのか
顔はまったく違うけれど
カバのような大きな口で
なおかつ四方に開いている
非常に気味の悪い生き物だ
相棒にも引けを取らない
その相棒は少年にヘッドバットした
そんなのがわんさかいるのだから
ここは本当に居心地の悪い場所だ
ザンパムが言うには
ハイエナは輝きを欲しているらしい
物理的問わず
こころにも輝きを感じると
すぐさま襲い掛かって来るようだ
ハイエナの攻撃を掻い潜っていると
身体に砂が当たった感じを受けた
触って確かめると
それは砂金だった

◆ 戦利品 ─【砂金】

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