宙を舞う要塞

少年たちの滑っていた床は
たちまち巨大な要塞へと
姿を変えた
要塞は少年たちを乗せたまま
空に飛び立とうとしていた
これ街の方へ行くかなぁ
タブンイクヨ
少年とその相棒は
湧き上がる好奇心を抑えながら
要塞の行く末に期待した
飛びたった要塞は
ふたりの思惑通りに
麓の街へ向けて舵を切った
ちょうどいいや
街の上に着いたら
そのまま飛び降りるから
それまで運んでもらおう
喜んだのも束の間
ちょうど少年たちの足元が
ハッチだったらしく
がぱっと勢いよく開かれ
何やらを小脇に抱えた者たちが
つらつらと少年たちの周りを
取り囲んで行った

◆ 戦利品 ─【援軍を期待して】

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