レッスル夢ファクトリー、の思い出
前提としてですが、私は格別なプロレスファンではありません。
それでも書き残しておきたい、ファンだった人たちに届いてほしいという思い出があったのでここに残しておこうと思います。
時期的には1997年~2000年のどのあたりなのか、私も正確に覚えていません。当時私が通勤(大体は自転車使ってました)していたルートの途中にレッスル夢ファクトリーの道場があったんです。道場が開設して暫く経ってから、一般の人相手にウェイトトレーニングも教えますよ、という看板もできたのですが、ちょっと心理的に行きづらいよな、と。
当時MMAのアマチュア選手で、あちこちトレーニングで巡るのが趣味だったのですが、それでも顔を出しづらい雰囲気と言いますか。(MMAやってたからこそ感じる部分もあったわけです。これは当時の修斗とかパンクラス周辺の空気知ってる人ならピンとくると思う)
そんなある日、自転車で帰宅して道場の前を通ったら脇の側溝に車のタイヤがはまり込んでました。運転されていたカップルに声をかけたところ、やっぱり為すすべがなく困っているとの事。
私「じゃあここの人に声かけてみましょうよ」
カップル「え、レスキューでも呼ぶとか?」
私「まあまあ、ここプロレスの道場みたいですよ。なんか手があるかも」
…うろ覚えですがこんな感じで話をして声をかけると「あ~車はまっちゃったんだ」的に三人の屈強な男たちが出てきてくれました。
私も一応手伝ったのですが、私は70キロ少々のガタイしかなく、あんまり役に立った実感ないですね(笑)
そんなわけであっさりと車を手力(てぢから)で救出して「どうという事もありませんよ」的な顔で道場に戻っていくいい顔の男たち。
…なんかいいじゃない?
なんというか、関心もさしてなかった「プロレス」にちょっと心が動かされた瞬間でした。
それからプロレス関係の記事も目に入る機会が増えました。「紙のプロレス」とか買っちゃったりね(今思うと苦笑)。
その後、道場は無くなり、一部選手の悲報なども耳に入りました。
…あの時の夜ご一緒した皆さん、元気にしてますか?
そして、当時試合を見ていた人たちに届けこのエピソード。あそこにいた男たちは、興行団体としては大きく羽ばたけなかったかもしれない。でも、間違いなく笑顔がすてきないい男たちだったんですよ、という目撃者がここにいたことを伝えたく、記録を残します。
…ただもう、これを読んでくれるファンとか関係者とかがいることを祈ってる。