爆発的流行!「手足口病」について体験談を交えて復習していくよ!【臨床医学各論】
手足口病。聞いたことがある方が多いのではないでしょうか。
小さなお子さんがいるご家庭では、かからないかヒヤヒヤモノ。それだけ遷りやすい病気で、幼稚園や保育園、こども園に通っているとなおさら。
ウチの子も、ついにかかってしまいました。
子どもが体調悪いと本当に可哀想で……、居た堪れない気持ちになってしまいます。代わりたいくらい。
それではこの手足口病を「臨床医学」の観点から見ていきましょう。
少しではありますが、ウチの子の体験談も交えていきますね。
<概念>
手足口病とはエンテロウイルス属A型コクサッキーウイルスによる感染症です。ちなみに、この手足口病は英語でもそのまま”hand-foot-mouth disease “と言うのだとか。
<疫学>
ウイルスの感染経路は経口飛沫感染。つまり、口から入って、くしゃみや咳といった飛沫により感染していきます。好発年齢は乳幼児で、特に1〜4歳の子に多く見られます。
ただし、不顕性感染といって、ウイルスが身体に入り込んでいても、症状がない場合もあります。
<成因・病態>
エンテロウイルスにはA型、B型のコクサッキーウイルスがあり、それぞれ以下の感染症を発症します。
A型コクサッキーウイルス:手足口病、ヘルパンギーナ
B型コクサッキーウイルス:流行性筋痛症、心膜炎、心筋炎
これらのウイルスは2〜9日の潜伏期間を経て、咽頭粘膜及び腸管内で増殖し、リンパ節へ移動しウイルス血症となります。
<症状>
手足口病に感染すると、以下の症状が現れます。
口腔前方、手、足への水疱疹
口内炎
ときとして発熱
余談にはなりますが、同じA型のヘルパンギーナ(俗にいう夏かぜ)も水疱ができますが、こちらは口蓋、扁桃といった、手足口病に比べ口の奥にあらわれるのが特徴です。
ウチの子の場合は、なんだかしんどそうだけれど、幼稚園は行ける状態が数日続きました。それから夜に発熱(37.4℃程度)、昼間はめっちゃ元気!と言った具合でした。
それから数日幼稚園をお休みしているのですが、ほとんどしゃべりません。これは口内炎の痛みのせいだと思われます。ヨダレだけティッシュに含むようになりました。
また、ご飯もほとんど食べていません。パンを小さくちぎって、ようやくちょっぽり食べられるくらい。果汁入りのジュースもほとんど飲まず、カルピスやお茶ならなんとか飲めています。はじめての口内炎、つらいよね。
<診断>
病院での診断方法としてはウイルス分離やPCR法を用いますが、実際に小児科で診ていただいたところ、問診、お口の中や水疱の部位の確認、それから心音を確認し「手足口病で間違いないでしょう」とのことでした。
「ご飯がしっかり食べられるようになれば、発疹が残っていても幼稚園には登園して大丈夫ですよ」とお声かけいただきました。
<治療>
主に対症療法で、今回処方されたのは一般的な風邪薬と同等のもの。
<終わりに>
手足口病は今小児の間で最も流行しているウイルスです。経口飛沫感染だし、乳幼児への感染であることから、上手に感染を防ぐというのは難しいかもしれません。
知らない間にできる水疱に驚くでしょう。でも、ここまでご覧いただいていたら、お子さんの身体の水疱をみて「もしかしたら手足口病かも」と落ち着いて判断できるかも。その一助となれば幸いです。