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患者さまに寄り添った治療のために(線香編)
先日、お灸とはどんなものか、患者さまに直接触れ治療に用いる「もぐさ」を中心に教科書に沿った内容で綴ってみました。
その続きとして、艾(もぐさ)に火をつけるためのお線香について見ていきたいと思います。
鍼灸治療で用いられる線香
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鍼灸治療で使う線香は、お寺での供養やお香として用いられるものと大きく変わりはありません。ですが、治療を目的としておりますので、一定の要件を満たすものが用いられています。
【原材料】
タブの樹皮や葉、スギの葉などの粉末に、着色料や香料を混ぜて作られます。これにより香り付けされたり煙の量を調整しているのですね。
【太さ】
太さは教科書的には3mm程度。今授業の実技で使っているのは長さ
14cm、太さ3.8mm。お香のための線香と比較するとかなり太いと感じますが、供養等に用いるお線香(青雲とか)よりも少し太いかなといった印象です。
鍼灸に用いる線香がなぜ3mm程度とされているかというと、患者さまの身体の近くに火を近づけるわけですから折れて火傷をさせてしまわないこと、そしてコントロールが容易でなければなりません。
また、細すぎると灰がすぐに落ちてしまったり、狙ったとおり艾柱に火をつけることができません。そのためのベストバランスがおよそ3mmというわけ。
【産地】
日本国内で線香の有名な産地は兵庫県、特に淡路島です。
京都ではたくさんの落ち着く香りがするお香がありますが、比較的近い産地があったからこそ発展したのかもしれませんね。
以上が教科書に沿ったお線香のお話しです。
授業で使っていて思うこと
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もぐさは燃えることで香りがします。この匂いが好きだという方はとても多いです。実技室の教室には艾の香りで包まれます。
でも、授業後に自宅へ帰ると
「なんかヘンな匂いするー」
「ウインナーみたい! 燻製みたいな」
匂いに敏感な子どもたちにはすぐバレちゃいます。
特に気になるのはお線香の匂い。
今メインで使っているものは白檀の落ち着く香りですが、ものによっては臭いと感じるお線香も販売されています。
長年お灸をされている先生も「タバコ吸われるんですか?」と周りの人に聞かれることがあるんだとか。
患者さまに寄り添った治療のために
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鍼灸治療を頼ってくださる患者さまの中には、匂いに敏感な方がむしろ多いはずです。鍼灸治療が得意とする精神的なところや内科的疾患、妊娠悪祖(にんしんおそ:妊娠初期から起こる吐き気や食欲不振等)等々。
お線香の匂いって、受入れづらい方も多いのではと思っています。
鍼灸をもっと多くの方へ、そしてもっと患者さまのために。
お線香ひとつで、鍼灸治療の環境を変えることができたら……。
密かに考えています。
学生目線の鍼灸環境プロジェクト
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まず気になったお線香! ここから鍼灸の環境にアプローチできたらなと思っています。現場を深く知らないからこそリーチできる目線もあるはず!
お灸ってお年を召した方がされているイメージがありますが、お香ってオシャレなイメージありますよね。そのへんミックスしていけたら最高だなと妄想しております。
幸い、線香はオリジナル販売を受注してくれている業者さんもある様子。
匂いや香り、相談してみようと思います。
もし、記事をご覧いただいてアドバイスいただけるようでしたらとっても嬉しいです。どうぞよろしくお願いします。