初期衝動

発端はなんだっけと思いを馳せる。

好きだったものが嫌いになったり、自分の好きなものが分からなくなったりする。思っていたより頻繁に価値観が変わる。

人に会うと、「こういう考えいいな」「この人みたいになりたいな」と思うことがある。そのたびにちょっと意識して自分の言動や振る舞いを変えてみたりする。しっくりこないと思ったら前の自分に戻る。でも戻った気でいても、ちょっとは影響されて前とは違うものになっている。それを繰り返す。

「昔思い描いていたイメージより、今の自分は大人じゃない」とみんな言う。違う人もいるのだろうけど、僕もそう感じる。「大人」に対する良くないイメージが強いから、言葉をもって距離をとっておこうということなのか。でも家庭の状況とかですぐに「大人」にならないといけなかった人もいる。

時間が経てば何かすごいことが起こって、成功や失敗を繰り返して、いろんな人と交流して、世の中を知り、自分を知り、自信を持てるようになるという期待があった。
今、自分のことが以前よりわからなくなっている。自分の気持ちを無視してきたからなのか、自分の欲求が、自分がどうなりたいのかが、分からなくなっている。でも学問などでは、知れば知るほど自分の無知に気づかされるというから、そういうものなのかもしれない。ん、そういうものなのか?

「あなたくらいの歳では分からなくて当然だよ」と言ってくれた人がいて少し安心したけど、これまでの人生を思うと歳をとってもこのままな気がしている。


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そういえば、あのときすごく嬉しかったんだよなあ。救われたんだよなあ。

と、そんな気持ちがあったことを久しぶりに思い出した。

あざす!

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