小人に人気の職場

『小人の靴屋』という物語がある。靴屋の主人が寝ている間に小人がせっせと靴を作ってくれて、その靴が売れて、というお話である。有名な話なので、おそらく大半の人が知っているのではないだろうか。

その小人。我が家にもたまに出現していたのだが、最近頻度が高くなってきた。

ある時は、帰宅したら洗濯物が取り込まれていた。ある時は、麦茶が作られていた。またある時は、夕食用の材料が切られていた。

昨日も1時間ほど残業して帰宅したわけだが、冷蔵庫を開けると切られた野菜が入っていた。煮物をする予定だと何故小人は知っているのか。ちゃんと煮物用に野菜が切られていた。

こういうことがあった時。我が家では「小人が来た」と言っている。昨日も帰宅した夫に

「我が家は小人に人気の職場かもしれないよ。最近よく小人が来るよね」

と話した。夫は「よかったね」としか言わない。だから私は

「うん。助かったよ。ありがとう」

と言った。


我が家に来る小人の正体は、当たり前ながら一緒に住んでいる人間だし夫である。家の近くで仕事をする日はお昼に帰ってきてご飯を食べるので、その時に時間があって気分が乗ればやってくれるという話。普段でも洗濯物を取り込んでくれているだけでも有り難いのだが、繁忙期に入って尚更有り難みが増している。いつもよりも帰宅時間が遅くなるし、仕事内容も充実しすぎているので、帰ってからの家事あれこれはなかなかやる気が出ないのである。

そんな中、少しでも何かやってくれているのは本当に助かる。こういう所は夫の良いところだなぁと思う。うちの職場での評価もまた上がることだろう(何故かうちの職場の女性陣に「そんな人なかなかいないよ!」と評価されている夫。家事や育児はよくやってくれているけれど、人としてどうなの、という部分もありますよ)。

価値観が合わなくてぶつかることも沢山あるし、もっとこうしてくれてもいいのでは?と思うこともあるけれど、生活する上での協力はお互いできている方なのだと思う。

これからも小人さんの出現を、お願いしたいところ。あと2ヶ月と少し、何とか乗り切っていこう。


ではまた明日。