葩餅

葩餅なるものをもらった。

が、まず、字が読めない。

「これ何て読むんですか?」と聞いたら、「『はなびらもち』だよ」と教えてくれた。「葩」は「はなびら」と読むらしい。

その方曰く、「花びら餅」と書かれていることが多いけれど、「葩餅」と書いている所もあるそうな。

開けてみれば、薄いお餅にくるまれたあんこと、同じくくるまれているけれどお餅から飛び出しているゴボウ。…ゴボウ?

食べてみると、柔らかいお餅と赤いあんこが美味しかった。ゴボウはゴボウらしさを全く感じなくて、気にせず食べられた。

後で調べてみたら、お正月の和菓子らしく。「包み雑煮」というものが元になっているらしい。元は甘く無さそうな具材ばかりだしお菓子でもないようなのだけれど、それに似た見た目でお菓子にしたのが始まりっぽい。

甘くて雑煮と言えば、「あん餅雑煮」を思い出したけれど、まぁそれは置いておいて(子どもの頃は餡餅で食べていた。他県の人が想像するほど変な味ではない。と思う)。

気になったのは、「葩」という字である。「はなびら」だけでなく、「はな」とも読むらしい。華やかという意味もあるそうな。

そもそも葩餅は、「菱葩餅」らしく。ひし形の赤い餅と、「葩」と呼ばれる薄い白い餅を重ねたもの(にその他具材を追加したもの)らしい。

つまり、薄く伸ばした丸い白い餅を「はなびら」と呼ぶ人々がいたということである。

一体いつからそう呼ばれていたのかわからないけれど、最初にこの名前をつけた人は何を思っていたのだろう。その人の頭の中には、どんな花が、花びらが、浮かんでいたのだろう。

検索していると、葩餅の葩は「梅」だと出てきた。確かに梅の花びらは他の花と比べて丸っこいと思う。字の通り、白い花びらが巴になった花。餅を花にたとえた人。浮かんでいたのは梅の花だったのかなぁ。

もしかしたら「餅→名前」じゃなくて「名前→餅」で「梅の花っぽいお餅、何か考えてよ」と言われてできたのかもしれないけれど。

どのみち作った人の頭の中にはきっと何かの「花」が思い浮かんでいたはずで、それがどんなものだったのかが何故か気になった昨日だった。

梅でお菓子といえば、もう10年くらい前になるのか、太宰府で食べた梅ヶ枝餅も美味しかった気がする。花とお菓子の組み合わせは、考えてみたらいろいろあるな。私も新商品の提案をする時にお花系のケーキを何か作りたいなと思いつつ。結局実現しないまま今に至るのであった。


ではまた明日。