メキシコの作曲家マヌエル・マリア•ポンセ
人生で一番長く続いている趣味?関心事でもあるメキシコを仕事にしてしまった私に、最近新たな趣味が出来ました。それは「ピアノ音楽」を聴くこと。
きっかけは、コロナ禍で中学生になった息子がいきなりクラシック音楽に目覚め、youtubeを使って独学でピアノを弾き始めたこと。我が家にいきなり流れ始めたピアノの音色に、かつては私もピアノ女子であったことを掘り起こされたのか?その音色にすっかり癒される日々になってしまいました。(コンサートに足を運んだり、うん十年振りに鍵盤に触りだすまでに💦)
そんなある日、辿り着いたのはやはりメキシコのピアノ曲。なかでも強く惹かれたのはマヌエル・マリア ・ポンセ(1882-1948)というメキシコ人の作曲家の作品でした。
ポンセと言えば、世界的にもですが、日本では特に弦楽器の曲として聴かれることが多い印象を受けます。ポンセと親交の深かったスペインの有名なギタリスト、アンドレス・セゴビアの演奏や、マリアチ楽団が奏でるCielito LindoやLa Cucarachaと言ったメキシコを代表するようなポンセの曲なら、聴いたことがある!という方も少なく無いかもしれません。
ですが、元々彼はピアニスト。ドイツ、イタリアやフランスにピアノ留学をしていたこともあり、自身が作曲したものは、ピアノ曲として残されたものが多いことを知りました。
メキシコ革命時代を生き抜いた彼の音楽(キューバへの亡命時代もあり)は、旋律に見え隠れするメキシコらしい(スペインの植民地時代と先住民族の文化が混在する)光と影、切なさみたいなものを感じさせるものも多い気がします。
また、子供向けの楽曲などは、とても可愛らしくて時にコミカル(何と彼は幼稚園監察官をやっていた時期もあるらしい!)。
哀愁漂うマリアチや弦楽器による演奏で聴くポンセもとても素晴らしく、私も大好きですが、同じ曲でもピアノという楽器に代わると、全く別の曲に聴こえてくるのも興味深いです。
それにしても、私はメキシコ革命時代の芸術に関するリサーチをしたことがあるにも関わらず、何故、これまでポンセの音楽を素通りしていたのか。あの曲も、この曲もポンセだったのかと、今頃になって知ることが多いです。
特にLa Sandungaというオアハカに由来のある曲は、大好きな映画「メキシコ万歳」でも使われており、何度も聴いていたのに、誰が作った作品かなど、これまで気にしたことがありませんでした。
しかし、年を重ねた今だからこそ響く音や、気づき、という音楽との出会いもあるのかもしれません。
そして今、ポンセの曲を聴く度に、私の知らないメキシコに触れ、旅をしているかのような気持ちにワクワクすることもあれば、白黒画像の壮大なメキシコの風景が頭の中に浮かび(恐らく先述の映画の影響)、ちょっとメランコリックになったりするのを楽しんでいます。
ご興味がある方いらしたら、下のリンクから是非、ポンセのピアノ曲を聴かれてみてください。
今後、trensaで企画するメキシコ関係のイベントなどでも、ポンセのピアノ曲を流してみたいと思っています。
■マヌエル・マリア・ポンセについて詳しくはこちらのサイトから
なんと、メキシコ人ピアニストのAlejandro Velaさんは、これまで日本で何度も来日公演をされていたのですね。いつか是非聴きに行ってみたいです。
お気に入りのアルバムです。メキシコらしいリズミカルな可愛い曲も沢山!
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