モリアオガエルの産卵地、天城の森と八丁池
登山日:9月7日
今回は伊豆半島のど真ん中、天城の森の最奥地に潜む「天城の瞳」こと八丁池に会いに行きました。
登山道を歩いてたどり着く標高1,173mの山頂にある湖ですが、今回は「○○山」と山名がつかない登山でしたので、魅力的がなかったのか、3人だけの、のんびりとした登山でした。
静岡県は修善寺駅に集合です。今年4月の達磨山以来5ヶ月ぶりの修善寺駅です。駅からは路線バスに乗り、途中で専用路線バスに乗り換えます。八丁池に続く寒天道はマイカー規制されているため、専用路線バスで行かなければなりません。バス運転手さんが下車して、一般車両通行止めの柵を開け閉めして通過します。道路はバス一台がやっと通れる程の狭さと険しさで見ててハラハラ、運転技術に敬服です。修善寺駅から1時間半のバス旅を経て、やっと登山口バス停に到着です。
ウグイス歩道、コマドリ歩道を経て八丁池を目指しました。ここの登山道は○○歩道との名前がつけてありますが、歩道とは名ばかりで、急登もあれば、ガレ場やハシゴもある立派な登山道ですので、軽装ではダメですよ。伊豆半島は温泉や演歌の「天城越え」を連想しますが、緑豊かな半島で、最初に日本ジオパークに認定され、2018年4月にユネスコ世界ジオパークに認定されました。その半島のど真ん中にあり、天城の森の最奥に位置するのが八丁池です。更にこの地域はブナの巨木が多く国立公園「特別保護区」指定されており、ブナの巨木達は「八丁池ブナ群落遺伝資源保護林」として大切に守られています。そのため森に入るとすぐにブナの巨木が出迎えてくれました。森の奥まで入っていきますが、深いブナの海に潜っていくような感覚で心が癒やされます。山頂近くには、立派な建物のバイオトイレがあり、八丁池を見下ろせる展望台もありました。そこからすぐに八丁池到着です。池の周囲が八丁(約870m)あることから八丁池と名付けられたと言われています。天城火山の火山湖とずっと思われてきましたが、最近の研究で断層のズレでできたことがわかりました。「天城の瞳」と呼ばれていますが、周囲がスズタケに覆われていることから「青スズの池」とも呼ばれ、天然記念物のモリアオガエルの生息地としても知られています。残念ながらカエル達には会えませんでした。近づく台風に備えて避難していたかもしれませんね。
帰りは下り御幸歩道を経て水生地に降りるルートをとりました。こちらもブナの巨木が多く見られる登山道です。ブナやヒメシャラの森から高度を下げると、今度はアセビの森となりました。漢字で書くと「馬酔木(アセビ)」、馬でも酔った様にフラフラになる程の毒があり、鹿の食料にならないアセビ達が生き残ったのかもしれませんね。最後に、旧天城トンネルに降りてきて、バス停に無事戻り、暗くなる前にバスで修善寺駅に戻ってきました。3人と少なかったですが、小さな道迷いなど繰り返しながら、楽しく天城の森を越えてきた「天城越え」の山旅でした。
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